避難・補償の基準について

 

事故に際しての大きな悲劇は、避難指示が放射能の汚染度で決められたわけではなかったことです。
実際には放射能は風に乗って運ばれたため、複雑な形状に広がりました。
しかし政府の指示で原発からの同心円状の距離、自治体の区分で避難基準が決められました。
同等の放射能汚染被害を受けていても、賠償の有無やその金額・公的支援の手厚さに大きな差が生じるなど、隣接地域で知り合いだった者同士の間で分断や軋轢が起こりました。

また避難区域に指定されずに放射能汚染に見舞われた地区では、2世代、3世代で同居する家族の多い地方の特性から、世代間で避難に対する考えが分かれました。
幼い子どものいる世代だけの自発的な避難、母子だけをとりあえず逃がす母子避難、意見が分かれたことが原因の離婚など、原発事故が多くの家族を引き裂くこととなりました。

自主避難者には住宅の無償提供がされましたが、2017年3月には打ち切りとなり、定住や職を得る困難、金銭的な苦難やいじめ問題などが続いており、自殺者も出て「棄民状態」とも言える現状があります。
政府は年間20ミリシーベルトの実効線量を許容範囲内とし、帰還政策を行なっており、帰らなければすべての補償が打ち切られます。

同心円状に避難指示は決められた (出典:NHK、2011年3月15日)

 

 

実際には、風向きなどにより同心円ではなく複雑な形で放射能は拡散した(出典:朝日新聞 3月24日朝刊)

 

チェルノブイリ事故時の(避難と補償の)ゾーン区分との比較は以下をご覧ください。

チェルノブイリ事故時の(避難と補償の)ゾーン区分との比較表