チェルノブイリ原発事故との比較
福島第一原発事故の放射能放出量を考える時、チェルノブイリ原発事故の放射能量との比較ではどちらがひどいのか?といった疑問が出されます。 これを考える時には、いくつかの難しい問題があります。
1:I131(ヨウ素)やXe(キセノン)などの気体(希ガス)の量の推計。
2:Cs134、137(セシウム)、St(ストロンチウム)、Pu(プルトニウム)をはじめとする各核種の推計。
3:推計そのものの不確実性をどれだけ見積もるかという問題。
そして、比較をするにあたっての問題がさらにあります。
A:事故後いつまでの放出を算出するか(放出の評価期間)。
B:算出の評価方法に何を選ぶか。
Forward modeling・・・放出量を先に決めて計算する方法。
Reverse modeling・・・測定値から放出量を逆算する方法。
C:評価にどんな計算コードを使うか。
これらの組み合わせにより、放出量の推計には何通りもの回答が導き出され、評価方法が異なっているため、一口に福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故とを比較する事は困難です。
以下、「原子力資料情報室」作成による、各機関による放射能放出量の一覧表をご覧ください。
何を採用して、どう評価するかで、評価が分かれることがわかります。