私たちについて

NPO 法人みんなのデータサイトの理事長を仰せつかりました大沼章子[未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(通称C-ラボ)、名古屋]です。

みんなのデータサイトは、東京電力福島第一原発事故を契機に全国に誕生した市民放射能測定所が集まって、2013年9月に立ち上げられました。
私は、その前年からの立ち上げ準備に関わり、立ち上げ後はみんなのデータサイト共同代表3名のうちの1人として、また運営委員として、
その運営・維持に多くの皆さんの協力を得ながら務めて参りました。
NPO法人化にあたっては、この半年間の様々の議論(その集約が定款に込められています)にも加わって来ましたので、
その流れの中で、初代理事長の任をお引き受けすることになった次第です。

さて、福島事故関連の現状はどうでしょうか。
多数の作業員に被ばくを強いる廃炉作業はデブリの位置さえ特定出来ず、30~40年廃炉ロードマップの虚構性が明らかになっています。
このロードマップを根拠としたトリチウム汚染水の海洋放出が、漁民をはじめ多くの人々の反対にもかかわらず、
今年中にも強行されるかもしれません。
東電によれば、汚染水は約470m3/日(2014年度平均)から約140m3/日(2020年)まで減少したとのことですが、汚染水をゼロにする方策を無視してきた結果です。
また、地域住民の反対を無視して除染土壌など放射性廃棄物の再生利用実験を強行しようとしている環境省は、まるで環境汚染省です。
さらに、岸田政権はGX(トランスフォーメーション)推進法とGX脱炭素電源法を成立させ、原発回帰に大きく舵を切りました。
とりわけGX脱炭素電源法は、原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の5つの改正法を束ねたもので、
国会での審議も国民への説明もほとんどないままに決定された原発回帰政策です。
特に見逃せないのは、原子力利用の暴走を防ぐ憲法とされてきた原子力基本法を原発推進法へと書き換えたこと、
老朽原発の稼働リミットだった60年を超える稼働を可能にした原子炉等規制法改悪と運転期間規制の電気事業法への付け替えです。
政権は、「福島事故の反省と教訓」を掲げながら、一方で民意に反して再び原発の安全神話を復活させようしています。

この状況下、福島原発事故由来の食品放射能汚染は、山野のものを除いた農産物と海産物に限っていえば、特異な事例を除いて食品基準超過事例は殆どなくなってきました。
しかし、山野のタケノコ・山菜・キノコや猪肉などの野生獣肉および淡水魚については、注意が必要です。
政府や都県による出荷規制は穴だらけで、監視調査体制も不十分です。食品基準(100Bq/kg)を超過しなくても高止まり傾向が明らかです。
また、出荷制限の網の目を破ってネット購入などによる汚染食品の流通があることは、みんなのデータサイトの調査プロジェクトで明らかにしてきたとおりです。

にもかかわらず、事故から12年を経て、市民放射能測定所への測定依頼検査数は減少し続けています。放射能汚染地域の測定所も例外ではありません。
市民放射能測定所立ち上げ時の熱意や熱望が衰退傾向にある中でのみんなのデータサイトのNPO法人化です。
「測って判断」を基本とする測定活動・情報提供の継続のみならず、環境放射能の監視、放射線教育の推進、安定ヨウ素剤の位置づけ等原子力防災にかかる問題点の洗い出し、
避難者問題や甲状腺がん多発問題への取り組み、国際的な市民放射能測定所との連携など、多様な課題を視野に入れた活動に、個々の測定所の特長を活かしつつ、取組んでいきたいと思います。

セシウム-137の半減期は30年です。
90年で8分の一、300年経ってようやく千分の一です。
なが~く私達の暮らしの中に留まり、人々の健康に影響を与え続ける人為的な放射性物質です。
LNT(しきい値なし直線)モデルに基づいてできる限り被ばくを避けるために、その存在を測定し続け、広く市民の皆さんにお知らせしていきたいと思っています。

今後とも引き続き、みんなのデータサイトと参加市民放射能測定所の活用、指導・支援をいただきますように、お願い申し上げます。