食品データの解析

2014年に「たけのこ」と「椎茸」の2品目について全国の測定室により期間・手順を一定程度統一した測定プロジェクトを行いました(データは2014年当時のもので、現在の状況とは異なります)。

広範囲な地域において、測定データを一定期間内に数多く収集・比較することを目的に、みんなのデータサイト参加測定室によって取り組んだプロジェクトです。 消費者にとっては、産地などで食材を選ぶことが、放射能低減に本当に役に立っているのか確かめることができます。 また生産者・販売者・流通業者にとっても、最新(当時)の実データを示せることで、不安による買い控えをする消費者に、判断の物差しを提供できるものと考えてこのプロジェクトを実施しました。

実施概要

・実施期間: 2014年3月〜7月の5ヶ月間

・測定データ数: たけのこ 102件、しいたけ141件

検体の取り扱い手法がバラバラだと、実際の測定結果に影響が出る恐れがあるため、このプロジェクトにおいては以下のように方法を統一しました。

・たけのこにおいては、姫皮は取り除く、縦にカットして頭部から根に近い部分までを全て使用するなど、検体の取り扱い方法を標準化しました。(理由については3枚目の図をご覧ください)

・椎茸においては、石づきを取り除く、軸は可食部として扱うなど。

結果の概要

1. 2014年たけのこ・生しいたけの測定結果概要



2. たけのこ、生しいたけの放射性セシウム濃度の全体像

単位の目盛りが対数目盛(数値軸の間隔が等間隔ではなく桁数ごとに区切られる目盛)となっていることに留意してご覧ください。



3. たけのこの部位によるセシウム濃度の違いについて(参考)

この福島県林業センターの結果をご覧ください。たけのこは部位によりセシウムの濃度が大幅に違うことがわかっています。そのため、今回のプロジェクトでは、可食部全部の全体を平均化するため、部分使用する場合は縦にカットし等分して測定するよう、手法を統一しました。



4.  産地別の濃度を示したグラフ



5. 孟宗竹の地域別のセシウム濃度

下のグラフは、セシウム134とセシウム137の比率を示しています。



6. しいたけについて

原木・菌床をあわせた全体の産地別セシウム濃度をグラフにしました。 単位の目盛りが対数目盛(数値軸の間隔が等間隔ではなく桁数ごとに区切られる目盛)となっていることに留意してご覧ください。



7. 菌床しいたけの地域別セシウム濃度(対数グラフ)



8. 原木しいたけの地域別セシウム濃度(対数グラフ)



9. 菌床しいたけと原木しいたけの比較

原木しいたけと菌床しいたけの放射能の値に有意差が認められました。



全体のデータの解析結果報告書(PDF)はこちら