食品データの解析

2024タケノコ・山菜プロジェクト放射性セシウム測定結果のまとめ

タケノコは、タケノコ(モウソウダケ・マダケ)31件、ネマガリダケ11件、ハチク4件の46件を調査。検出下限値以上で検出されたのは63%(29/46)で、最大値は栃木県那須郡那須町で採取されたタケノコの77.5 Bq/kg、中央値は2.4 Bq/kgでした。今なお多くの市町村で(国による)出荷制限・(県による)出荷自粛が出されていますが、本調査では、食品基準(100 Bq/kg)を超過したものはありませんでした。
山菜は24種で199件、うち、コシアブラは汚染地指定17都県以外からの1件を含む45件を調査。山菜の検出率は45%(90/199)で、最大値は福島県双葉郡葛尾村のゼンマイで7924 Bq/kg、中央値は検出下限値未満でした。食品基準を超過したものは、コシアブラ3件とゼンマイ・オヤマボクチ・ヨモギ各1件の6件で、基準超過率は3.0%(6/199)でした。コシアブラの基準超過率は6.7%と前年より低かったものの、中央値は21.5 Bq/kgで山菜の中での高濃度傾向は続いていました。
食品基準超過の山菜については、最大値を示したゼンマイおよびオヤマボクチとヨモギは、いずれも福島県双葉郡葛尾村の帰還困難区域近傍で採取された縁故品でした。コシアブラについて、2件は栃木県と宮城県の縁故品で、出荷制限の有無にかかわらず、汚染度の確認のための採取と推測されました。残り1件は、宮城県気仙沼市産で、出荷制限地域からの通販品だったことより、出品者に対する行政の指導の甘さが露呈していました。
なお、通販品に関して、厚生労働省は2020年と21年に、それまで見逃してきたネット上の個人間売買について、通達「オークションサイト・フリマサイトにおける野生の農産物の販売について」を公開(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14183.html) し、販売者には「販売にあたっては産出地域を慎重に確認し、出荷制限の対象地域で産出されたものでないことを最新の情報で確認すること」を、また、インターネットモール運営事業者には「販売する利用者に対する注意喚起」を要請していましたが、まだまだ、末端にまで行き届いていない、もしくは、行政・販売者・運営業者の注意が希薄・散漫になってきていると思われます。
みんなのデータサイトでは、今後も、本プロジェクト等による放射性セシウムの測定を継続し、放射性物質による環境や野生食品の汚染状況の把握によって、市民・野生農産物販売業者・流通業者・行政の皆さんに、放射性物質に対する注意喚起を促していきたいと思います。

詳細は、以下添付のPDFをご覧ください。印刷もできます。


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