2024年7月8日開催:学校給食と放射能「ゲルマニウム半導体検出器で測定し、4 Bq/kgを超えた食材を使用しない」を実現させた 札幌の市民運動の軌跡と 市による給食食材測定12年間のデータを読む
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★2024年7月8日に開催したオンライン学習会のアーカイブ動画です。 上の動画をクリックするとYoutubeで録画が再生されます。
使用した資料
<以下、告知時のイベント告知文です>
こんにちは!はかーる・さっぽろの富塚とも子です。
北海道は日本最大の食料供給地域(2022年度のカロリーベースの食料自給率は日本全体で約38%、北海道は223%)です。しかし、厳寒の地ですから、10月から5月までスーパーに出回る葉物野菜は東北・関東(いわゆる東日本16都県)産が主流となります。
東京電力福島第一原発事故直後、札幌市内のスーパーから東北・関東産の野菜が一斉に姿を消し、代わりに四国・九州・沖縄産のものが並びました。一方、札幌市の学校給食で使用される野菜の産地は、東北・関東産のままだったのです。食材の放射能検査も行われていませんでした。
札幌圏に、インターネットで情報を集め、内部被曝に危機感を強めたお母さんたちがいました。家庭の食材を見直すとともに、完全給食を実施している小学校にお弁当を持たせました。そこで、出会いが起こります。当時、たくさんの避難者さんが来道しました。多くが、子どもを守ると決意した母子避難でした。
2011年初夏、避難者さんも交えたお母さんたちは、子供の通う学校や札幌市の教育委員会と話しあいを進めます。
わが子だけが、安心なお弁当を食べればいいのでしょうか?
子どもが自分では選べない給食だからこそ、おとなが安心安全を担保すべきです。
SNSで賛同の呼びかけも始めます。
何度か話し合いの席を設けましたが、暫定基準値セシウム合算値500㏃/㎏下、「国が安全というものは安全」が札幌市の鉄板回答でした。
署名提出。女性市議会議員による代表質問での要望。500人規模の会場での給食フォーラム開催。お母さんたちと多くの市民がちからを合わせて運動を進めていきました。
2011年11月28日、上田文雄札幌市長(当時)は学校給食の食材検査を12月から行うことを定例記者会見で発表しました。ゲルマニウム半導体測定器を使用し、4㏃/㎏を超えたものは使用しない。画期的な行政判断でした。お母さんたちの熱意が実を結んだ瞬間でしたが、それだけではありません。
さっぽろ市民放射能測定所 はかーる・さっぽろは、この運動をきっかけに誕生しました。
行政の測定内容を評価するためには、市民が放射能の知識と測定の手段を持つ必要があると考えました。
そもそも、北海道の放射能汚染の実態はどうなっているのか?
そもそも、東日本16都県以外の食材なら安心なのか?
知りたいことは山ほどありました。
測定の結果、思いもよらない汚染の実態にも出会いました。
札幌市の学校給食の食材測定は、2024年3月をもって終了しました。12年4か月にわたる測定データから分かること、また、学校給食における食の安全についての課題についてもお伝えできたらと思います。
私、はかーるさっぽろ代表の富塚ともこ、運営委員の佐々木百合香が お話しします。