2018年12月18日 朝日新聞名古屋本社版(朝刊)
【メディア掲載】
朝日新聞・名古屋本社版2018年12月18日朝刊の「本の虫」欄に掲載されました。
みんなのデータサイトの事、「測定マップ+読み解き集」の事をとてもわかりやすく取り上げていただいています。
筆者の劉さんは、名古屋の測定所メンバー曰く、『名古屋で最も反骨精神のある出版社である風媒社の編集長』だそうです。
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「本の虫」
ーみんなのデータサイトー
クラウドファンディングで資金公募するプロジェクトはいまや珍しくない。被災地支援などの公共性の高い活動から、ベンチャー企業への出資まで幅広く行われており、本の出版に利用するケースも少なくない。今年11月、福島市に事務所を置く「みんなのデータサイト」がクラウドファンディングで一冊の本を出した。『図説・17都県放射能測定マップ+読み解き集』である(定価2500円)。
「みんなのデータサイト」は全国の市民放射能測定室のネットワークだ。原発事故後、日本各地に民間の放射能測定室が生まれ、市民から依頼を受けて食品の測定を行ってきた。それらのデータを集約し一般に公開することを目的に発足した団体である。2014年からは東日本の土壌放射能測定を開始し、本書にはそれら6年間の測定結果(食品測定1万件以上、土壌測定17都県3400カ所以上)がまとめられ、「お母さんから専門家まで」に読んでもらえるようわかりやすく解説されている。
クラウドファンディングの当初目標額は250万円だったが、終了時には1288人の支援者から600万円を超える支援が集まった。そこで発行部数を倍の3000部に増やし通販を開始したところ、1カ月で完売、現在第2刷を印刷中という。
なぜこの本がそれほど待たれていたのか。背景に「高すぎる安全基準」「早すぎる安全宣言」への疑念があること、そして測定室のメンバーに農家自身も加わっていることが、データの持つ意味を更に重くしていると言えるだろう。こうした市民初の新しいかたちの出版が今後増えて行くことを予感させる。(劉 永昇・風媒社編集長)
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