去る3月27日に行われた東日本土壌ベクレル測定プロジェクト第2回報告会にて、質問をいただきながら、時間の関係上、回答があまりできませんでしたので、会場でお約束申し上げた通り、Web上で回答させていただきます。
よろしくお願いいたします。
文責:みんなのデータサイト事務局長 石丸
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■ご質問:日本海側に旅行に行った時、公園などの土を採取するのも可能か?
回答:公園は基本的に採取許可を取っていただくことを原則としております。お手数ですが、許可をお取りいただいてからお願いいたします。
■ご質問:地権者のOKがあれば私有地でもいいか?
回答:地権者の許可があればもちろん問題ありません。また100m四方を四捨五入して表示いたしますので、よほど大きな土地でない限りは、採取場所の詳細特定はできない形で公開しております。ぜひ、積極的なご採取をお願いいたします。
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■ご質問:畑など耕したところでは5cmでは意味がないのでは?
回答:はい。基本的に手つかずの場所の採取をお願いしております。耕している場合は、数値が低くなっており、事故後できるだけそのままの土壌を測定する、という要件にあいません。
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■ご質問:厚労省や地方自治体の持っている土壌測定データとの相違などはあるのでしょうか?
回答:地方自治体が発表するデータと土壌プロジェクトのデータは、概ね近いような範囲の値を示すことが多いように伺えます。ただ、同一地域内でも、採取場所や条件で数値に一定のばらつきがありますので、あまり細かい数値での比較はそれほど意味を持ちにくいかもしれません。広い範囲で見ると、やはりかなり様々な傾向が見えてまいります。土壌データは基本的に文部科学省や環境省の管轄であり、田畑は農林水産省の管轄となっています。厚労省は食品データを多くの積み上げてきています。
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■ご質問:セシウムがOKでもストロンチウムが高くてセシウムで安心してしまいストロンチウムを多く摂取してしまっている可能性がありますが、ストロンチウムの今後の測定をしていく予定はありますか?
回答:放射性ストロンチウムの測定は非常に困難なものであり、みんなのデータサイトとしては取り組むことが難しいと考えております。データサイトには参加しておられませんが、いわきの測定室「たらちね」さんでストロンチウム測定を行っておられることはとても素晴らしく、また稀有なことです。ぜひ、たらちねさんの活動をご支援、ご注目ください。また、乳歯を集めて放射性ストロンチウムを測定するプロジェクトを、みんなのデータサイトに参画しているC-ラボの大沼ご夫妻も関わられて、準備されつつあります。そちらもあわせてご覧下さい。
基本的に放射性ストロンチウムは、大体の地域において、これまで見られているデータでは、放射性セシウムに比べて100分の1から1000分の1ぐらいの傾向が見られています。ただ、ごく近場の地域や、海への放出など、まだまだわからない・検証が足りていないことは多々ありますので、ぜひ、たらちねさんや乳歯測定のプロジェクトのご支援・ご注目をお勧めいたします。
http://minnanodatasite.blogspot.jp/2016/04/c.html (乳歯保存ネットワーク)
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■ご質問:プロジェクトの最終形はどのような形になりますか?
回答:東日本17都県をできるだけ網羅する形でマップ化し、Webのみならず紙のマップにも落として行きます。そのデータから見えてくる傾向をグラフやその他の表現で可視化してまいります。チェルノブイリとの単純な比較はできませんが、仮の比較は行い、参照点として行きます。海外にも情報を発信していくことを準備しています。補完プロジェクトとして、マイクロホットスポット測定のプロジェクトも行ってまいります。
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■ご質問:このデータを見る人が、例えば汚染が低いので安全だと思ってしまう危険性についてはどのように考えておられますか?数センチずれただけで全く値が変わるということも、併せて伝えていく必要はないのでしょうか。
回答:データを見て、簡単に安全危険の判断をすることは難しいかもしれません。東日本の多くをカバーするという大きなプロジェクトであり、採取地点はまばらなので、あくまでも個々の数値は参考値の域を出ません。その数値がその地域を代表する数値だとも言い切れません。ただ、そのような値を示す土壌汚染があった、ということの事実とはなります。その値が高ければ高いほど、やはり諸々の注意や対策が必要になってくるかと思われます。
低い数値を見て安全と思う危険性、というのは、データの最終的なご判断はどうしても各自に委ねられてしまいますので、そのようにご判断される方がおられることも避け難いことかと思います。みんなのデータサイトでは、多くのデータを公表させていただいておりますが、数値の判断をこちらですることはできるだけ控え、できる限り正確に測った数値を、データの中立性を保ちながら公表していくという姿勢をとっております。危険と判断される方も安全と判断される方もおられますが、みんなのデータサイトとしてできることは、できるだけ正確に測定したデータを多く公表させていただき、判断の材料を増やす、ということかと考えております。
採取場所によって数値がかなり違ってしまうことがあるのは、おっしゃるとおりとても大事な視点です。我々のプロジェクトでは、採取講習会などではそのようなこともお伝えしておりますが、Webなどでももっとその点をお伝えする必要があると以前より思っております。ご指摘をありがとうございます。