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【台風19号水害被災地 土壌放射能調査 結果の報告】

【台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No.1】10/24

みんなのデータサイト 参加測定室の 名古屋「C-ラボ(市民放射能測定センター)」からの速報です。
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阿武隈川氾濫地域の一つである福島県伊達市梁川町の氾濫泥2検体を10月24日 測定。
測定結果は下記のとおりでした。
 
いずれも住宅地で、舗装された路上の粘土状の沈殿物です。
広瀬川と塩野川と阿武隈川の合流点付近で起きたバックウォーター現象による越流浸水です。塩野川では破堤もあったようです。
 
●梁川町字町東   合計563 Bq/kg
(Cs-137  522 Bq/kg ・ Cs-134  40.8 Bq/kg ) 

 
●梁川町字町裏 合計448 Bq/kg
(Cs-137  429 Bq/kg ・Cs-134  19.1 Bq/kg)

 
心配したほど高くはなかったのですが、庭や畑にあるのでなく、このレベルの泥が屋内に侵入し、床や壁、床下を汚染した場合は問題です。
  
また、乾いて粉塵になって舞った場合には大いに問題です。
国も自治体も、このことについて警鐘を鳴らしていません。
マスコミも全く取り上げていません。
 
なお、このデータはいずれも乾重量当たりの放射能濃度で、含水率は約50%と30%でした。
 
なお、広瀬川と塩野川の源流を見ると、汚染レベルの高い霊山地区と宮城県丸森町筆甫地区があります。
 
氾濫泥中の放射能は、この二つの地区と阿武隈川本流が運んできた濁質粒子が混合したものと考えられますが、主たる起源がどれなのかは不明です。
 
(測定・文責: C-ラボ大沼)

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注釈:今回測定された数値は、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」で測定した周辺地域の数字と比較すると、特段に高い数値ではありませんでした。しかし、他の県と比べると高い数値ではありますし、事故前との比較(例:2010年福島市、Cs-137: 23 Bq/kg)では明らかに高汚染ですので、泥かきの際にはマスク等で吸い込まないようにするなど十分ご注意頂けたらと思います。(みんなのデータサイト事務局)



【台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No. 2】10/26

ふくしま30年プロジェクトが測定した、福島県内2ヶ所の測定値は以下の通りです。

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住宅地、舗装された路上の粘土状の沈殿物を乾土処理をしたのち測定しています。

●福島市郷野目宝来町(大森川)
Cs-137  778 Bq/kg   Cs-134  53.8 Bq/kg  
合計832 Bq/kg

●伊達市梁川町大町(広瀬川)
Cs-137  404 Bq/kg   Cs-134  27.1 Bq/kg
合計431 Bq/kg

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注釈:今回測定された数値は、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」で測定した周辺地域の数字と比較すると、特段に高い数値ではありませんでした。しかし、他の県と比べると高い数値ではありますし、事故前との比較(例:2010年福島市、Cs-137: 23 Bq/kg)では明らかに高汚染ですので、泥かきの際にはマスク等で吸い込まないようにするなど十分ご注意頂けたらと思います。(みんなのデータサイト事務局)

*なお、台風19号による氾濫泥の放射能調査を希望される方は以下リンク先の要領をお読みの上、採取を行ってください
→ https://minnanods.net/blog/news/entry-1423.html



【 台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No.3 】10/29

●福島県伊達市梁川町舟生(阿武隈川)

Cs-137 615 Bq/kg Cs-134 41.5 Bq/kg
合計 657 Bq/kg

*納屋に入り込んだ粘土状の沈殿物を乾土処理したのちに測定しました。
*測定日:2019年10月27日(ふくしま30年プロジェクトによる測定)

もう1つ、この舟生と阿武隈川を挟んだ対岸に位置する
五十沢の測定結果はこちらです。

●福島県伊達市梁川町五十沢(阿武隈川)
Cs-137 276 Bq/kg Cs-134 19 Bq/kg
合計 295 Bq/kg

*路面の砂状の沈殿物を乾土処理したのちに測定しています。
*測定日:2019年10月28日(ふくしま30年プロジェクトによる測定)

★ふくしま30年プロジェクトでも、11月末日まで「台風19号による氾濫泥測定」を11月末日まで受け付けています。測定料は無料です。
測定を希望される方は、以下の要項を確認の上採取をお願いします
https://minnanods.net/blog/news/entry-1423.html



【 台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No.4 】11/1

郡山市の水害堆積土壌の測定を行いました。
東林間測定室で測定した郡山市の検体は、現時点で3検体となります。

この3検体のうち2検体は、砂がほとんどを占める検体でした。「川のそば 砂」「水没ガードそば」がそれにあたります。
「川のそば 砂」は阿武隈川。「水没ガードそば」は阿武隈川の支流逢瀬川の近辺となります。


放射性セシウムは土壌の粘土成分に吸着する性質があるため、砂の多い検体は、粘土成分の多い土壌と比較して、放射性セシウムの値は低くなる傾向があります。またガードそばの検体については、建物周囲にまかれた砂が今回の水害で流され集まった可能性が大きいです(採取地点周辺をグーグルマップで確認)。

室内から採取された検体は、粘土成分が多く、600Bq/kgを超えていました。

今回の測定は、2検体をwet として届いたそのままの状態、dry としてホットプレートを200℃設定にして乾燥させた状態で測定してみました。

測定日は、水没ガード wet が10/15   dry が10/31
郡山室内dry、wetともに10/29
川のそば が10/29
です。


ホットプレートで水分を飛ばす


乾燥終了

乾燥させることによって放射性セシウムの値は、2割前後上昇しました。粘土質の土壌は非常に粒が細かいものが多く含まれており、乾燥して塊で存在する場合は良いのですが、砕けたり削り取ったりすると、簡単に空気中に舞い上がります。



参考までに、みんなのデータサイトによる東日本土壌ベクレル測定プロジェクトで測定した、郡山市の土壌数値を2019年11月1日時点に補正した数値を出してみました。
画像4をご覧ください。
(文責:東林間測定室)

★東林間測定室でも、「台風19号による氾濫泥測定」を11月末日まで受け付けています。測定料は無料です。
測定を希望される方は、以下の要項を確認の上採取をお願いします
https://minnanods.net/blog/news/entry-1423.html




【 台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No.5 】11/7

2019年10月31日 下記3ヶ所でサンプリングし、その後乾燥させて測定しました。
 
●東京都世田谷区二子玉川 多摩川河川敷 線路下
 
多摩川河川敷一帯の様子をうかがったところ、河川敷一帯も氾濫した様子があり、辺りに泥土の堆積が観られた。
泥土に関してだが、二子玉川駅線路下の土手周辺にあったものは砂質のものが多かった。
サンプリングは線路下の川付近の場所にて行なった。


地点名:二子玉川駅線路下土手

 地点名:二子玉川駅線路下土手
 河川名:多摩川
 状態:砂質
 1メートル空間線量:0.045 μSv/h
 5cm空間線量:0.062 μSv/h
 セシウム134/137合算値:18 Bq/kg 

●東京都葛飾区小菅 荒川河川敷 遊歩道
 
荒川小菅緑地は堤防が決壊しなかったものの、河川敷一帯が水没していたため泥土やゴミが辺り一面に堆積していました。
河川敷の遊歩道に堆積していた泥土をサンプリング。


地点名:荒川小菅緑地公園

 地点名:荒川小菅緑地公園
 河川名:荒川
 状態:泥
 1メートル空間線量:0.061 μSv/h
 5cm空間線量:0.059 μSv/h
 セシウム134/137合算値:65.4 Bq/kg
 

●埼玉県川越市 越辺川 特別養護老人ホームキングスガーデン付近歩道脇 
 
越辺川の氾濫があった川越市特別養護老人ホームキングスガーデン付近の堆積土の調査に行った。
堆積土は施設付近の道路脇にあったので、それをサンプリング。
なお、土質が粘土質であったため、堆積土は付近の圃場から流出したものが堆積したと考えられる。


地点名:越辺川道路脇

 地点名:越辺川道路脇
 河川名:越辺川
 状態:泥
 1メートル空間線量:0.055 μSv/h
 5cm空間線量:-
 セシウム134/137合算値:48.9 Bq/kg

今回の3ヶ所は、いずれもさほど高い値ではありませんでした。3ヶ所の位置関係を示します。
 


測定:東林間放射能測定室
採取:Sugar Nat



【 台風19号による氾濫泥の放射能調査・速報 No.6 】

栃木県那須町と茨城県大子町で氾濫泥土の採取を行い(11/6)、乾土処理をしながら11/7〜13にかけて5検体の測定を行った。

[栃木県那須町]

●那須町芦野(御殿山からの土砂流)
① 砂質の混ざった泥土
 Cs-137 280 Bq/kg ・ Cs-134 33.6 Bq/kg
 合計314 Bq/kg
② 粘土質の泥土
 Cs-137 500 Bq/kg ・ Cs-134 43.4 Bq/kg
 合計543 Bq/kg

採取場所は芦野の奈良川に架かる仲橋たもとの空き地で、調査スタッフ全員が奈良川からの氾濫泥土と思い込んでいた。
 
採取を終えた頃、スタッフの一人が住人から驚くべき話を聞いてきた。
 
「奈良川は氾濫しておらず、目の前の御殿山(那須町の桜の名所)から土砂が道を流れ下り、道路が10㎝以上の堆積で覆われた」というのだ。
川の氾濫が運んだ土砂ではないが、道路が川となって山から土砂を直接運んだと考えれば同じことと理解し、検体に加えることにした。(写真1)


●那須町寄居(奈良川支流の新川)
 Cs-137 473 Bq/kg ・ Cs-134 44.5 Bq/kg
合計518 Bq/kg
 
町役場で聞いた二つ目の被災地を目指し、奈良川沿いを上流に向かって走るが、町の通りにも田畑にも土砂の堆積らしきものが見当たらない。心配になってきた頃、川沿いの空き地に小さな黒い山と褐色の丘の盛り土を見つけた。
空き地前の2軒の住宅が出した土砂で、褐色の方は庭土が混ざったもの、黒山の方が隣家の床下から掻き出した泥だと教えてもらった。早速黒山の粘土質の泥土を採取。
 
3年前に調査した寄居集落センターの土壌測定値2,309Bq/kgに比べるとかなり低い数値。
場所によるものとも思われるが、採取場所に近いところの土を測ってみる必要がありそうだ。
 
[茨城県大子町]

道の駅だいごの焼き鳥屋の親父さんから仕入れた被害情報に基づき、大子町役場周辺とJR水郡線の鉄橋が流されたあたりの2カ所で泥土を採取した。

●茨城県久慈郡大子町 常陸大子駅付近(久慈川)
Cs-137 101 Bq/kg ・ Cs-134 19.4 Bq/kg
合計120 Bq/kg
 
道路、宅地、空き地、どこを見ても泥土の堆積物は見当たらない。大災害に見舞われた町の姿を想像できない日常の風景が広がっている。
やむなく道路脇に溜まった乾いた砂質の土を採取したが、被災後の道路掃除や風雨で氾濫泥土の大半は姿を消したのではないか、果たしてこれは氾濫泥土なのだろうかとの思いが残った。
(写真2)


●茨城県久慈郡大子町北田気(久慈川)
Cs-137 207 Bq/kg ・ Cs-134 28.3 Bq/kg
合計235 Bq/kg
 
水郡線の鉄橋が流された対岸には、重機が行き来する荒涼とした風景が広がっている。
被災後廃屋化したと思しき一軒家の庭に車を乗り入れと、そこは洪水泥土の堆積地であった。
台風から既に1ヶ月以上を過ぎ、片付けの手が入っていない被災現場に偶然に巡り合った。


調査・測定:那須希望の砦




【台風19号水害被災地 土壌放射能調査 無料受付は終わりました】

<11月末日までで、無料での測定受付は終了しました>
現在、滑り込みで採取された土壌の測定を行なっているところです。
今回の調査結果がまとまりましたら、改めてご報告します。
調査依頼、また情報の拡散などでご協力をいただきありがとうございました。

なお、これからも、各測定室では通常の測定料金をいただきながら
食品・土壌などの測定は継続して受け付けております。
気になることがあれば、ぜひ一度 みんなのデータサイト事務局へお問い合わせください。
お近くの測定室を紹介させていただきます。

(2019年12月 みんなのデータサイト事務局 追記)

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関東〜東北の非常に広範囲に渡り、台風19号による河川の氾濫で多大な被害が出ました。あらためてお見舞い申し上げます。
 
各地で今なお、懸命な復旧作業が行なわれているところですが、原発事故による放射能の高汚染地域での氾濫により、汚泥に放射能が含まれていることが危惧されます。
 
みんなのデータサイトでは、そうした土壌の測定をしてもらえないか?という要望を受け、11月末までの期間中、緊急で氾濫土の測定を受け付けることとしました。測定料は無料です。

現在、受け入れをしているのは、以下の4測定室です(11月14日現在)
 ●未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)
  〒467-0058 愛知県名古屋市瑞穂区関取町146
  TEL 052-836-3116 (開所日:水、木、金。送付日についてはお電話等でご相談ください)
  
 ●東林間放射能測定室
  〒252-0311 神奈川県相模原市南区東林間5-12-7 自然食品チャンプール内
  TEL 042-747-2858 (日曜定休)

 ●ふくしま30年プロジェクト
  〒960-0201 福島県福島市飯坂町字一本松11-7
  TEL 024-573-5697 (水曜定休)

 ●那須希望の砦 (11月5日より)
  〒325-0303 栃木県那須郡那須町高久丙336-5
  TEL 090-4577-6645 (送付日についてはお電話等でご相談ください)
  
 
測定を希望される方は、下記の事前説明と調査野帳をお読みの上、汚泥のサンプリングを行なってください。
 
*従来の「土壌ベクレル測定プロジェクト」とは採取方法が異なります。深さ5cmの採取スタンダードではありません。家の床に溜まった土など、流れて来た浅い土をスプーンや園芸用スコップなどで集めてもらう採取となります。
*砂質には放射性物質がたまらない可能性が高いので、粘土質の土の採取をお願いします。(例えば3枚目の写真の土の断面図では、上の方に粘土質、下の方は砂質なのが見て取れます。表面に近い粘土質の部分を採取してください)
*集める量は、150ミリリットルです。
*必ず所定の野帳(採取状況がわかる報告書)にご記入ください。
*土は、出来るだけ乾いたものをお願いしたいですが、若干の水分を含んでいる状態のものでも結構です。
*測定料は無料です(測定室までの送料は各自でご負担をお願いします)。
*採取はなるべく早めに行なってください。
*測定は、11月いっぱい受け付けます。
 
なお、被災地に土壌採取のみを目的に入られることは、被災された方の心情や復旧の妨げとなるためご遠慮ください。
被災された方ご当人のご希望、または支援に入られた際にその当事者の要望を尊重し、確認を取られた上で採取をお願いします。
 
測定結果は、直接依頼された方へお知らせします。
災害でもたらされ、自宅に流入したり、乾燥して舞い上がったりする土壌がどの程度のセシウムを含むかを知ることにより、復旧作業における放射能防護の道しるべとなることを願っています。

また、個人情報に配慮しつつ、みんなのデータサイトでもデータを公開していきます。
数が集まれば、流域別・地域ごとの地図がいずれ作成できればとも考えています。



採取に適した場所は、明らかに災害による土壌とわかるところです



採取する場所は、このような場所で、明らかに新たに流れた土壌とわかるところが適地です。
また家屋内に入り込んだ土など、明らかに今回の災害によりもたらされた土壌であることがわかるところから採取をお願いいたします。



土のとり方について


土の取り方は、このように新たに堆積した部分を採取してください。
堆積した厚みが薄い場合は、広い面積の採取をお願いします。

この写真では、掘られた部分の下の方は砂質になっているのが見て取れます。
砂には放射能はほぼ含まれませんので、それより上の粘土質(表面の茶色の細かい土の部分やその下のグレーの部分)を採取するようにしてください。



野帳(フィールドノート・記録用紙)に必要事項の記載をお願いします。
*記載に漏れがある場合、測定および結果のお知らせができないことがあります。

こちらを印刷して、必須項目に記載をお願いします。
採取した土壌と一緒にお送りください。送り先は野帳の下部に記載があります。
※紙が濡れないよう、梱包をお願いします。


下のPDFをダウンロードして印刷、記載ください。




測定申し込みの期限

2019年11月まで、測定を受け付けます。
災害後の条件が変わらないうちに、速やかに採取し、上記測定室へお送りください。

調査結果



調査結果はこちらで公開しています


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【韓国 「共に民主党」日本経済侵略対策特別委員会が当団体の資料をもとにしたとされる、放射能汚染地図について】

【10月6日 第4報】韓国「日本経済侵略特別対策委員会」に、質問書が渡ったとの連絡がありました

韓国放射能汚染地図問題で橋渡しをお願いしていた「日韓環境情報センター」の田中博さんから、連絡を頂いたのでお伝えします。
 
こちら側の窓口をしてくれている韓国のキム・ヨンヒ弁護士(ヘバラギ代表)が、みんなのデータサイトの質問書を10月2日「日本経済侵略特別対策委員会」に直接渡してくださったとのことです。
この質問書は現在、日本経済侵略特別対策委員会のメンバーに共有され、事の重大さを認識し、対応を検討しているそうです。
 
現時点では、いつ頃結論が出るかはわからないとのことですが、慎重に対応してもらいたいということを伝えていただいているそうです。
 
みんなのデータサイトとしては、こちらからの文書が渡っていることが確認できましたので、ひとまず回答を待ちたいと考えています。



【10月2日 第3報】韓国 「共に民主党」日本経済侵略対策特別委員会が当団体の資料をもとにしたとされる放射能汚染地図の問題について

9月30日(月)11:20~11:40の20分間、テレビ朝日「ワイドスクランブル」にてこの問題を取り上げて頂いて以来、市民の皆様、国内メディア、韓国メディアからの問い合わせ、取材以来が殺到しており、対応に追われております。
 
「ワイドスクランブル」からは、前日夜半に取材がありました。
当日の報道主旨は「共に民主党」がみんなのデータサイトのデータを引用したと言っているが、その根拠が不明であり、データサイトの問い合わせにも応じていないといったものでした。
コメンテーターの中には、「市民団体が長年苦労してやってきた努力が、これでは水の泡だ」「ファクトに基づいて出したデータを、国会議員に改ざんされるのは、問題だ」といった発言もあり、「みんなのデータサイト」(以下、データサイト)擁護の報道内容でした。
 
一方、データサイトに届く問い合わせの中には、徹底糾弾や訴訟を求める声、「嫌韓」という言葉をあえて出して対抗軸をつくらせようとするものが少なからずありました。
 
私達は、この問題には多くのテーマが含まれていることを承知していますし、対応を間違うと、日本政府からもスケープゴートにされる格好の材料になると考えています。遅い対応や、丁寧な対応に対して、悠長なことをやっている場合ではないとお叱りの内容も頂いておりますが、ここは冷静に私達の考えを述べます。
 
1)「共に民主党」からは、いまだ返事がありません。
 
この問題の焦点のひとつは、「共に民主党」がデータサイトのどの数値を引用して、どのような方法で同心円状に汚染度が変化するマップをつくったか、という事実を確認することから、出発しなければならないと考えます。「ワイドスクランブル」の放送では、「共に民主党」が私達と話をしたいと言っているとのコメントがありましたが、データサイトには、いまだ何の返答も届いておりません。
 
もうひとつは、何の連絡もなく、「みんなのデータサイト」の名前を引用する事で問題が生じるという事を考えなかったのかという点です。ウェブサイトに公開している私達のマップをそのまま使用するのであればよしとしても、名前を出しておきながら、異なるマップを掲示することで、問題が生じるのは明らかだったと考えています。この点についての意図、認識を何よりも最初に確認したいと考えています。
 
2)現在、韓国の市民団体と連携をして、事態の究明に乗り出しています。
 
私達みんなのデータサイトは、世界各国の研究者、市民団体とつながって活動をしています。
今回もすぐに、韓国の友人・市民団体に連絡をして、翻訳をはじめ、問題解決をどのように求めていくか連携をし始めました。現在、韓国国会の各委員会での質問の時期で、20日頃まで続くため、韓国の協力者に成り行きを注視していただいております。言葉の問題や日々過熱する報道の中で「共に民主党」の話を引き出せるよう、具体的に行動を開始してくれた、韓国市民団体の皆様に感謝します。
事態が進展した際には、皆様にご報告申し上げます(韓国議員の問題のため、韓国国内報道が先行する場合があるかもしれません。ご了解ください)。
 
なお、9月30日付「産経新聞」の記事でみんなのデータサイト側の主張が報道され、この内容が韓国のインターネット新聞でも紹介されています。
以下、リンクです。翻訳機能を使って、日本語でお読みください。
https://news.v.daum.net/v/20191001111934695?fbclid=IwAR0cITv4Nr_6v-dwNfq3aC-IK9xEUhGNv7RWCpL3dh_mk1S8iXKnEq8WHv4#none
 
3)放射能汚染は、まだらに広域に「存在」します。
 
日本政府は東日本の広域土壌について採取・測定という「実測」を行なわず、上空約300mからの「航空機モニタリング」で測定した空間線量値から土壌汚染を推定しています。私達は土壌汚染の実態を知るため、のべ4,000名のご協力で東日本17都県3,400ヶ所の地点を、3年間かけて実測する「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を実施して、マップを公開しました。
 
そして、放射能汚染について軽々に危険とか安全を述べることは難しいと考え、熟慮した末、6年間の活動の集大成として200ページの読み物、『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』を2018年11月に刊行しました。
汚染度合いによる危険性については、チェルノブイリ法を参考にして、書籍で詳細に比較説明をしています。
食品も同様で、データサイトの測定実績と共に、厚労省の測定データの解析や1950年代からの食品汚染の歴史、福島第一原発事故前、事故後についても解説を掲載しています。
 
放射能汚染の問題は一言で説明するのが非常に難しく、詳しくお知りになりたい方は、是非そちらをご覧頂ければと思います(文末にリンクがあります)。
 
4)環境濃縮データに伴う誤解について。
 
環境中で濃縮することによりベクレル値が高くなっている、いわゆる「ホットスポット(限定された範囲の高濃度土壌)」があります。この値を使って、付近の地区一帯が同程度に汚染していると論じるのは間違いです。
詳しくは『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』(P.102〜P.105)、
または、https://minnanods.net/soil/hotspot.html をご覧ください。
 
データサイトでは、環境濃縮する場所を除いて東日本全体の放射性セシウム汚染の濃淡を比較できるよう「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を実施しました。
また、高濃度汚染のスポットについては別途「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」を実施し、局所的な汚染についても一部の地域で調査し、データを記録しています。ホットスポットとわかった場所では行政に除染作業申請をしていますが、東日本のすべてのホットスポットを調査することは不可能です。このため、人々が生活の中で余計な被ばくを知識として避けることができるよう、どのような場所がホットスポットになりやすいかを類型化して12分類のタイプにまとめ、注意を促しています。
 
5)「共に民主党」「日本政府」に伝えたい事。
 
韓国「共に民主党」が本当に放射能の心配をするなら、日本政府をあのような地図で糾弾するのではなく、まずは私達の問い合わせの内容に対して返事をし、正しい理解のために動いて欲しいと願っています。
 
9月29日、毎日新聞・福島版(12版)に、日本政府の言葉として、以下の記述がありました(東京版にはありません)。
データサイトの地図について、『日本政府関係者は「市民団体の情報で、正確とは言えない」と強調する。』と発言したのです。
日本政府には、そもそも土壌の採取・実測に乗り出さず、事故の様相の正確な記録すらしなかったことで、必要な情報提供や説明責任が果たせなくなったという事実があります。
国は、空間線量測定でお茶を濁さず、広範囲の土壌測定を政府の責任のもとに実施し、2020年の東京オリンピックを前に、国内外にきちんと正しい情報を公開していくべきです。汚染はなかったことにするのではなく、汚染のある場所も、ない場所もあるのだ、という事実を正確に伝えて欲しいと考えます。
 
6)放射能汚染に国境はありません。
 
福島第一原発事故が起きた時、チェルノブイリ原発事故の経験と教訓を生かして各国の市民運動・測定室が、物心両面で日本の市民放射能測定室を助けてくれました。
二度と原子力事故が起きないことを絶対に信じたいですが、万一、世界のどこかで事故が起きた時にはこういった連携が必ずや必要となります。
 
私達「みんなのデータサイト」は、この不幸な事故の中に生きる大人の責任として、「市民科学としての放射能測定」を通じて、データを提供する立ち場で、これからも世界の皆様と連携、情報共有をしていきたいと考えています。


<みんなのデータサイト出版 書籍のご紹介>

●『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』(日本語)
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みんなのデータサイト事務局



【9月27日 第2報】「共に民主党」および会見を行なった議員に対して文書で申し入れしました

昨日の私共からの第一報を踏まえ、第二報として、再度事態の説明と、「共に民主党」および会見を行なった議員に対して申し入れを行なった旨を報告いたします。

********************************

2019年9月26日、「共に民主党」の日本経済侵略対策特別委員会が、日本の福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染地図を作成し、公開したという報道がありました。
 
報道によると、
 
『特別委の幹事を務めるオ・ギヒョン弁護士は同日、ブリーフィングで「原発事故以降の放射能汚染の程度を測定する日本の市民団体『みんなのデータサイト』で公開している資料を基に制作した地図」と説明した。地図上で放射能に汚染されていると表示された地域の中には、2020年東京五輪で試合が開催される宮城スタジアムと福島あづま球場などが含まれている。』
 
とされています。
 
みんなのデータサイトで、この報道内容を確認したところ、公表されている地図およびオリンピック会場とされる地点の放射能の値について、実際に私たちのサイトのいつの時点の、どの地点のデータを使ったのか、合致する数値を見つけることができませんでした。
 
また公表されている地図についても、みんなのデータサイトが公開している「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」の地図とは大きく異なっています。
 
そのため、下記の通り、韓国側に質問状を用意し、会見を行なっていた3名宛に、9月28日、文書で問い合わせ・申し入れをいたしました。
 
その日本語版の申し入れ書、韓国語版の申し入れ書の画像を掲載します。
 
今後について、状況に進展があれば、サイト上で報告してまいります。
よろしくお願いいたします。
 
みんなのデータサイト 
事務局長:小山貴弓

申し入れの内容(日本語版)

9月26日付で朝鮮日報に掲載された、与党「共に民主党」が「日本経済侵略対策特別委員会」において、私達「みんなのデータサイト」のデータを改変して放射能汚染地図を作成したと述べたことについて大変驚き、困惑しています。
この地図について、事実と著しく異なる点があるため、以下の通り見解を述べ、要求します。


1)発表されたデータ・公開地点を見て、我々のデータソースを当たったが、現時点で該当する地点、測定値は私たちのデータベースからはみつかっていない。

2)また、公表されている地図に掲載されている値は、いつ時点の値なのかの明示もなく、
科学的な資料としては必要な条件を満たしていないマップと言わざるを得ない。

3)みんなのデータサイトのマップは、以下のマップであり、汚染は広範囲にまだらに存在し、事故当時から直後の雨や雪、そして風向き、また山脈などの地形により南北に広がり日本海側にはあまり達していない。同心円状に汚染が広がっていると今回発表された地図は、我々のマップとまったく異なり、我々の情報から作成されたとなっていることは事実に反する。我々のマップは、あくまでも測定地点の汚染度を示すものであり、面的汚染には言及していない。




私たち「みんなのデータサイト」の情報からの引用であるとして、事前の連絡や確認なく、事実と異なる測定値の情報が公開され、流布されたことは、私たちの団体・サイトの信頼性を著しく損なうものであり、看過できない。


我々は以下を要求します。

1)公表したマップがどのような科学的合理性をもってつくられたものかを検証するため、マップ作成時に使用した元データと出所を詳しく開示していただきたい。

2)何の断りもなく名前を無断使用し、日本の市民科学の結集である「みんなのデータサイト」の名誉を著しく汚しており、このような発表となった経緯について、ご説明頂きたい。


※韓国語でのやり取りを継続することが困難なため、英語または日本語でご回答願いたい。



なお、みんなのデータサイトは、2019年9月21日に『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』の英語版ダイジェスト、「CITIZENS’ RADIATION DATA MAP OF JAPAN」~DIGEST EDITION~を刊行したところである。
詳しくは、こちらを確認して頂きたい。

★amazonより購入可
https://www.amazon.co.jp/CITIZENS-RADIATION-DATA-JAPAN-Contamination/dp/4991042712/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=CITIZENS+RADIATION&qid=1569574678&sr=8-1


大型本: 16ページ(21 x 0.2 x 29.7 cm)
出版社: みんなのデータサイト出版
言語: 英語
ISBN-10: 4991042712
ISBN-13: 978-4991042713
発売日: 2019/9/21


2019年9月27日 みんなのデータサイト 共同代表 大沼章子
                        阿部浩美
                        村上直行
                   事務局長 小山貴弓

連絡先:minnanods@gmail.com
電話:024-573-5697(11時~19時 水曜定休)



韓国語に翻訳をした申し入れ






【9月26日 第一報】 朝鮮日報日本語版 9月26日付けの報道についてのお問い合わせ

朝鮮日報日本語版9月26日付けにおいて、韓国の与党がみんなのデータサイトのマップを改変したとして、放射能汚染マップをつくり、記事を発表しました。

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019092680242

数値の改ざんではないかとのご指摘、類似の問い合わせを、現在多方面から頂いています。

現時点でわかった事実としては、数値は、私たちの団体で測定したものではなく、他の団体が測定したホットスポットを含むデータが用いられている模様です。
私共にはデータについて、また今回団体名を記載する旨、一切の連絡を受けておりません。

引き続き、情報の収集と確認に努め、対応を協議し次第、改めて皆様にご報告申し上げます。

よろしくお願い致します。

みんなのデータサイト
事務局長 小山貴弓