14ページ目 | 土壌プロジェクト

マップ集・アトラス版製作遅れについてのご案内

【マップ集・アトラス版製作遅れについてのご案内】


 2017年1月に行なったクラウドファンディング(※1)、現在配布しているチラシ(※2)等で、
秋口に「マップ集・アトラス版」(※3)を発行する旨、ご案内をしておりました。
長期に渡り議論を重ねている間に、当初の構想を少し大きく展開し、単なるマップ集ではなく
様々なデータ集の要素も加え、読み物としての幅を持たせたものにしていこうという方向に
まとまって来ており、もう少し製作に時間を頂きたくここにお願いをするものです。
また、大口の助成金の獲得が最後の一歩で叶わず、資金調達や販売方法のアイデアを考えるためにも
お時間を頂ければと考えております。
 現在、2018年夏、8月初旬に発行をするべく準備をしております。
皆様のお役に立てるような1冊となるよう、力を尽くして製作してまいります。
11月19日の報告会に続き、2018年3月18日にも報告会を開催致しますので、その際にも経過報告を
させて頂きます。
 大変お待たせして申し訳ございませんが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

                             みんなのデータサイト一同

※1:主な使いみち⇒東日本土壌ベクレル測定プロジェクト・測定費用、環境濃縮ベクレル
測定プロジェクト・立ち上げにかかる費用。
※2:2017年4月25日ver。
※3:「マップ集・アトラス版」とは・・・ベラルーシ・ウクライナでつくられたRAD ATLAS

(ラド・アトラス)に習って製作する日本版土壌放射能マップ(大判のブックレット)の仮称。

「日隅一雄情報流通促進賞 大賞受賞のご報告」

「日隅一雄情報流通促進賞 大賞受賞のご報告」

この度、栄えある「日隅一雄・情報流通促進賞」大賞に、みんなのデータサイトの活動が選ばれました。12月15日、日比谷にて授賞式が行われ、メンバー一同で参列させていただきました。簡単に以下ご報告申し上げます。

今回は、森友学園問題を白日の下にさらした大阪の木村真議員、国会中継を文字起こしして各地でコッカイオンドクを展開してきた小原美由紀さん、SEALDsの活動を記録し発信してきた尾崎孝史さん、という錚々たる受賞者の方々と共に、「みんなのデータサイト」が栄えある大賞をプレゼンター落合恵子さんより受賞を受けました。大変光栄な機会でした。

<受賞者>
大 賞:「みんなのデータサイト」の活動(共同代表:石丸偉丈、阿部浩美、大沼章子)
奨励賞: SEALDs参加者への取材活動(尾崎孝史さん) 
特別賞: 森友学園問題にかかわる情報公開を含む調査活動(木村真さん)
特別賞:「コッカイオンドク!」活動(小原美由紀さん)




今年の選考基準は、市民による情報の発信・流通に着実に取り組んでいる活動に焦点を当てられたということを伺いました。その面でも、大きなデータを市民力で着実に積み上げ、放射能の問題の可視化を続けているデータサイトがふさわしい、と大賞に選んでいただけたようでした。並み居る素晴らしい活動が多数ある中で、私たちが大賞を受賞できましたことは、本当に光栄でありがたいことです。
また、資金面でいつも厳しさのある市民活動ですので、副賞として30万をいただけたことも、活動継続への力となり、大変ありがたいことでした。

この大賞は、「みんなのデータサイト」全体と、ご協力くださった全ての方に贈られたものであるとスタッフ一同は認識しております。参加34測定室・スタッフはもちろんのこと、土壌プロジェクトに取り組んでくださった延べ人数4,000人以上の採取者の皆様、資金面でサポートをしてくださった多数の皆様、支援団体の皆様のおかげで、この賞をいただくことができました。改めてこれまでご支援・ご協力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。

尊敬すべき故日隅一雄先生のお名前が冠された栄誉ある「日隅一雄情報流通促進賞」の2017年大賞をいただけましたことを、ここに感謝と共にご報告させていただきます。
ありがとうございました。

みんなのデータサイトは、これから放射能汚染マップを冊子にまとめる「アトラス版」作成プロジェクトや、海外発信の強化などに取り組みを強めてまいります。
まだまだ私たちがやるべきことは山積しております。
これからも、ますます皆様のご支援・ご協力を賜れますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

                みんなのデータサイト スタッフ一同

受賞者の皆様と記念撮影


2017秋土壌プロジェクト報告会 開催レポート


2017秋土壌プロジェクト報告会 開催レポート


2017/11/19。
秋晴れの日曜日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、報告会を開催しました。

朝早くから、大勢のお客様をお迎えすることができました。深く御礼申し上げます。
オリンピックセンターから見える富士山

現在、制作を予定している「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」の集大成「マップ集・アトラス版」(セシウム地図帳)の青写真として、栃木県・山形県の2つを例に挙げ、測定結果に様々なデータを重ねてみることで見えてきた事例を紹介することを中心に、3人のスピーカーが報告しました。

当日の内容について簡単にご報告します。

■ 参加測定室紹介

みんなのデータサイトは、全国34の測定室で成り立っています。それぞれの測定室で地域の皆様から持ち込まれた食品や土壌を測定し、また自分たちで気になるものを測定し、そのデータを「みんなのデータサイト」の共通のデータベースに登録していくことで、結果をインターネットで多くの方々に見ていただくことができる仕組みです。


当日、全国から集まった測定室の皆さんに壇上に上がっていただき、少しの時間ですが「測定を続けている思い」など、お顔を見ていただきながら、ご挨拶をしました。

全国の測定室からのメッセージ(北は北海道から南は広島県の測定室が参加しました)


■ 「土壌マップ」と自治体実施の「食品中の放射性物質検査データ」から見えてきたこと・山形県を中心とした解析報告(あがのラボ・村上直行)

山形県は、福島県と隣接していながら、比較的放射能の値が低い。その理由や、食品との相関などについて、あがのラボの村上が解析結果を報告した。 
山脈などの地形と、当時の天候(積雪の状況)などから、放射能がなぜ、どの場所にどの程度定着したのかについて推測。また、自治体が実施している食品検査の結果から、野生動物(ツキノワグマ、シカ、イノシシなど)について出荷規制や基準値超え(100Bq/kg以上)の市町村と土壌マップを比較してみせた。

セシウム濃度の高い地域において、ツキノワグマの測定件数が極端に少ないことや、マタギ文化の残る一部地域では全頭検査を条件に出荷制限が解除されたことなどの紹介があった。

山菜(コシアブラ、野生キノコ、タケノコなど)においては、山に近い県境近辺において基準値を超えるものが散見されており、セシウム濃度が低いと思われている山形県においても、とりわけ野生生物と山菜・キノコについては、基準値を超える高いセシウムが検出されることから、注意を要する。出荷制限は販売するもののみにかかるものなので、自家消費などは対象にならないため、留意が必要。

自治体が測定した食品データの分類考察では、山形県、新潟県、栃木県、神奈川県などを比較し、山形県で顕著に多いものは、県特産品(牛肉、サクランボなど)であることなどを紹介した。
山形県の地形や当時の降雪量情報からセシウム沈着結果を考察

■ 栃木県解析報告・栃木県内ワークショップの報告・乳歯保存プロジェクトについて(C-ラボ・大沼淳一)

  20ミリシーベルトがもたらす影響について解説
栃木県は、チェルノブイリ事故後にロシアで定められたチェルノブイリ法の基準では、「移住の義務」ゾーンや「移住の権利ゾーン」に該当するエリアが複数あること、また現在日本の基準である「年間20ミリシーベルト」という基準がいかに過酷かと点について、ICRP副委員長のジャック・ロシャールでさえ「残念だ」「理解できない」「安全でない」「年間20ミリシーベルトの被ばくは長期間続くと安全ではない」と述べたことを紹介した。

また当時のヨウ素の流れのシミュレーションや水道水のヨウ素測定値などを紹介し、初期被ばくの可能性にも警鐘を鳴らした。

イノシシ、野生キノコ、山菜とともに、「薪ストーブ」などの灰についても十分注意が必要。チェルノブイリでは事故後8年から10年経ってから、内部被曝の値が事故直後よりもさらに大きくなったことと、セシウム137の半減期は30年あることからロシアの人々との食生活の違いはあれど、日本国内でも山の幸の豊かな地方でのキノコ狩りやジビエ嗜好などを例に挙げ「もう大丈夫」と思って食べてしまうとチェルノブイリと同様、内部被曝を増加させる恐れがあると警告した。

ウクライナ国内における、複数地域の成人セシウム内部被曝量推移(1986年〜2008年)

キエフなど3つの村における内部被曝量の推移(赤が大人・緑は子ども)


乳歯保存ネットワークは、C-ラボも参加している民間初の乳歯専用ストロンチウム測定所で、現在岐阜県に設立準備中と紹介。会場では乳歯を集めて送るためのキットの配布を行い、用意したキットすべてがなくなるほどの盛況だった。測定所立ち上げの出資者も募っている。

 ●乳歯保存ネットワーク http://pdn311.town-web.net/





■ 「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」紹介とクラウドファンディングご協力のお願い(Hotspot Investigators for Truth(HIT) 代表 Sugar Natさん)

いわゆるマイクロホットスポットと呼ばれる、放射性物質が周囲に比べて著しく集積した場所を発見し、測定し、行政に除染などの対応を依頼するという活動を地道に続けているHIT。ホットスポットは、限られた範囲内であるため、除去すれば危険を取り除くことができる。しかし、現状の環境省の基準では、字や町内などの広い範囲を1単位とし、その平均空間線量(主に高さは1メートル)で除染基準を決めているため、こうした狭い範囲の高い汚染は、実質的には見捨てられてしまっている。

1メートルの高さでは0.451μSv/h、5cmの高さで計ると2.682μSv/hというように、
1メートルの測定のみだと非常に高い汚染が見捨てられてしまうことになる。 

その現状を踏まえ、子どもたちにとって身近な公園や人々が行き交う街路樹脇、駐輪場など、人々を被ばくから少しでも守りたいと活動している。

実際に、どのような場所でどのような汚染があったか、通報後自治体で除染してもらった後、どの程度空間線量が低下したか、といった実例を紹介した。

この活動を広く知ってもらうため、どこがホットスポットになりやすいか、という場所のパターンを雨樋、吹き溜まり、木の根元、建物のキワ、など12分類のイラストでわかりやすく表示し、その測定データを「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」と題してweb上に掲載する形で、みんなのデータサイトと共同でプロジェクトを進めている。


 ●みんなのデータサイト 環境濃縮ベクレル測定プロジェクト https://minnanods.net/soil#soil-top-hotspot12-head


イラストによる12分類でホットスポットになりやすい場所を示し、
各タイプの測定地点の測定値を掲載している

また、こうした活動は、実際にその自治体に住んでいる市民が要請することが、最も行政を動かしやすいと指摘した。
原発事故においては、自治体もまた私たち市民と同じ被害者でもある。そうした目線で、行政と協力して良い関係を築けると活動しやすいとコツを伝授。
『「どこがホットスポットかわからない」「自治体との交渉がわからない」などあれば、出向きますので、みんなで繋がっていきましょう。』と呼び掛けた。

なお、この活動を継続するため、12月25日までクラウドファンディングで活動資金を募っています。ご協力をよろしくお願いします。

 ●クラウドファンディング https://moon-shot.org/projects/hit/




センター内はちょうど紅葉真っ盛りでした



板橋の測定室「アスナロ」は手作り手芸品を販売し、福島の子ども保養の活動資金を募りました


(祝)【日隅一雄・情報流通促進基金 受賞のお知らせ】



本日11月13日付で発表された「日隅情報流通促進基金」大賞に、喜ばしきことに、みんなのデータサイトが選ばれました。
http://hizumikikin.net/…/%E6%97%A5%E9%9A%85%E4%B8%80%E9%9B…/
大変栄誉ある日隅賞の受賞を、スタッフ一同心より嬉しく有難く思い、ここにご報告させていただきます。



みんなのデータサイトは2012年に発足し、市民と34の測定室が協力し合い、2011年の東京電力福島第一原発事故以降の放射能汚染測定データを蓄積・公開してまいりました。

私たちのデータベースには、食品で1万5千件近く、土壌データで3,500件近くのデータが、市民力によって積み上げられ、web上でどなたでも検索閲覧ができます。
食品データの一件一件は、多くの一般の方々が、お子さんの健康などを心配され、測定に持ち込まれたデータを中心に積み上げられており、一つ一つのデータが貴重なものです。ここまでの形になったのは、本当に多くの方との協力によってしか成り立ちえないことでした。

また2014年からは、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」と題した、東日本17都県にわたる広範囲な土壌測定を行い、延べ人数4,000人を超える皆様と共に、各地で土壌を採取測定し、データを積み上げ、汚染状況を可視化する取り組みを進めてきています。

土壌データは、チェルノブイリ事故の後、ウクライナやベラルーシでは国費をかけて大規模な測定を行い記録・公開し、避難や保養などの判断基準として使用しているのに対し、日本ではほぼ空間線量のみの測定にとどまっています。また、原発事故前の20倍もの高い値である、年間20mSvという基準が採用され続け、これが住民の避難・帰還基準の判断に用いられているのが現状です。
このような中、「自分たちの住む地域の汚染を知る権利があるはずだ」という思いのもと、「政府がやらないなら自分たちで明らかにしよう」と、市民力でできるだけ多くの「実際のデータ」を調査・記録・公開することに努めてまいりました。このデータを多くの人に知っていただき活用できるよう、これからも取り組んでまいります。

今回の受賞は、これまでに全国の測定所に測定を依頼してくださった市民の皆さま、採取活動やカンパなどの資金で私たちを応援してくださった方を含め、非常に多くの方々と共にいただいたものだと思い、共に喜びたいと思います。
市民科学の力で放射能汚染の実態を、測定データの積み上げにより提示出来ていることに、大きな力を感じます。

日隅情報流通促進基金の関係者の皆様へ心より感謝申し上げますと共に、
原発事故の爪痕を測定を持って可視化し、さらに多くの皆様へ貢献していけるよう、この受賞を励みとし、私たちはさらに前進してまいります。

みんなのデータサイトを、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

   みんなのデータサイト スタッフ一同

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【19日(日)土壌プロジェクト報告会のご案内】
今週末19日(日)AM9:30より、みんなのデータサイト土壌プロジェクトの報告会があります。

東日本17都県を測定し、可視化を進めている土壌汚染の実態について、様々な角度から情報提供いたします。
ぜひ多くの皆様のご来場をお待ちいたしております!
日隅さんの賞をいただいたことに力を得て、一層素晴らしい会として皆様に情報をお届けいたします。
是非お誘い合わせの上お越しください。





ホットスポットを見つけ除染し子ども達を守る活動のクラウドファンディング実施中!



11月4日、Hotspot Investigators for Truth(略称HIT)という団体と、みんなのデータサイトによるコラボプロジェクト「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」のクラウドファンディングがスタートしました!!
これまで実施していた「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」が各地の平均的な汚染を調査するプロジェクトであったことから、ホットスポット調査はしないのか?とのお声をたくさん寄せて頂いていました。

私達は、HITと1年以上前から持ち出しで、高濃度の汚染地点を調査し公開するプロジェクトの準備を始めていました。
この7月からやっと測定結果を掲載するシステムを整備し、公開を始めるに至り、皆様に正式に支援のお願いをする段階になりました。
目的のひとつ目は、ホットスポットが見つかった場所において地域住民の皆様と協力し、自治体に交渉して除染や清掃をお願いをすること、ふたつ目の目的は、濃縮してホットスポットになりやすい地形や傾向を可視化して、被曝のリスクを減らすことです。

12月25日、クリスマスの夜23:59までに、約55万円の費用をご支援頂きたく、どうかよろしくお願い申し上げます!!
汚染をなかったことにさせない、事実を伝え続けるこのプロジェクトをご支援ください!!

クラウドファンディングのご支援・詳しい説明はこちらhttps://moon-shot.org/projects/hit (←こちらをクリック)




*現在公開している、環境濃縮ベクレル測定プロジェクトのページもぜひご覧ください



ぜひ、周りの方にもお声かけ頂き、支援の輪を広げてください。どうぞ宜しくお願い申し上げます。