【韓国 「共に民主党」日本経済侵略対策特別委員会が当団体の資料をもとにしたとされる、放射能汚染地図について】
【10月6日 第4報】韓国「日本経済侵略特別対策委員会」に、質問書が渡ったとの連絡がありました
韓国放射能汚染地図問題で橋渡しをお願いしていた「日韓環境情報センター」の田中博さんから、連絡を頂いたのでお伝えします。
こちら側の窓口をしてくれている韓国のキム・ヨンヒ弁護士(ヘバラギ代表)が、みんなのデータサイトの質問書を10月2日「日本経済侵略特別対策委員会」に直接渡してくださったとのことです。
この質問書は現在、日本経済侵略特別対策委員会のメンバーに共有され、事の重大さを認識し、対応を検討しているそうです。
現時点では、いつ頃結論が出るかはわからないとのことですが、慎重に対応してもらいたいということを伝えていただいているそうです。
みんなのデータサイトとしては、こちらからの文書が渡っていることが確認できましたので、ひとまず回答を待ちたいと考えています。
【10月2日 第3報】韓国 「共に民主党」日本経済侵略対策特別委員会が当団体の資料をもとにしたとされる放射能汚染地図の問題について
9月30日(月)11:20~11:40の20分間、テレビ朝日「ワイドスクランブル」にてこの問題を取り上げて頂いて以来、市民の皆様、国内メディア、韓国メディアからの問い合わせ、取材以来が殺到しており、対応に追われております。
「ワイドスクランブル」からは、前日夜半に取材がありました。
当日の報道主旨は「共に民主党」がみんなのデータサイトのデータを引用したと言っているが、その根拠が不明であり、データサイトの問い合わせにも応じていないといったものでした。
コメンテーターの中には、「市民団体が長年苦労してやってきた努力が、これでは水の泡だ」「ファクトに基づいて出したデータを、国会議員に改ざんされるのは、問題だ」といった発言もあり、「みんなのデータサイト」(以下、データサイト)擁護の報道内容でした。
一方、データサイトに届く問い合わせの中には、徹底糾弾や訴訟を求める声、「嫌韓」という言葉をあえて出して対抗軸をつくらせようとするものが少なからずありました。
私達は、この問題には多くのテーマが含まれていることを承知していますし、対応を間違うと、日本政府からもスケープゴートにされる格好の材料になると考えています。遅い対応や、丁寧な対応に対して、悠長なことをやっている場合ではないとお叱りの内容も頂いておりますが、ここは冷静に私達の考えを述べます。
1)「共に民主党」からは、いまだ返事がありません。
この問題の焦点のひとつは、「共に民主党」がデータサイトのどの数値を引用して、どのような方法で同心円状に汚染度が変化するマップをつくったか、という事実を確認することから、出発しなければならないと考えます。「ワイドスクランブル」の放送では、「共に民主党」が私達と話をしたいと言っているとのコメントがありましたが、データサイトには、いまだ何の返答も届いておりません。
もうひとつは、何の連絡もなく、「みんなのデータサイト」の名前を引用する事で問題が生じるという事を考えなかったのかという点です。ウェブサイトに公開している私達のマップをそのまま使用するのであればよしとしても、名前を出しておきながら、異なるマップを掲示することで、問題が生じるのは明らかだったと考えています。この点についての意図、認識を何よりも最初に確認したいと考えています。
2)現在、韓国の市民団体と連携をして、事態の究明に乗り出しています。
私達みんなのデータサイトは、世界各国の研究者、市民団体とつながって活動をしています。
今回もすぐに、韓国の友人・市民団体に連絡をして、翻訳をはじめ、問題解決をどのように求めていくか連携をし始めました。現在、韓国国会の各委員会での質問の時期で、20日頃まで続くため、韓国の協力者に成り行きを注視していただいております。言葉の問題や日々過熱する報道の中で「共に民主党」の話を引き出せるよう、具体的に行動を開始してくれた、韓国市民団体の皆様に感謝します。
事態が進展した際には、皆様にご報告申し上げます(韓国議員の問題のため、韓国国内報道が先行する場合があるかもしれません。ご了解ください)。
なお、9月30日付「産経新聞」の記事でみんなのデータサイト側の主張が報道され、この内容が韓国のインターネット新聞でも紹介されています。
以下、リンクです。翻訳機能を使って、日本語でお読みください。
https://news.v.daum.net/v/20191001111934695?fbclid=IwAR0cITv4Nr_6v-dwNfq3aC-IK9xEUhGNv7RWCpL3dh_mk1S8iXKnEq8WHv4#none
3)放射能汚染は、まだらに広域に「存在」します。
日本政府は東日本の広域土壌について採取・測定という「実測」を行なわず、上空約300mからの「航空機モニタリング」で測定した空間線量値から土壌汚染を推定しています。私達は土壌汚染の実態を知るため、のべ4,000名のご協力で東日本17都県3,400ヶ所の地点を、3年間かけて実測する「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を実施して、マップを公開しました。
そして、放射能汚染について軽々に危険とか安全を述べることは難しいと考え、熟慮した末、6年間の活動の集大成として200ページの読み物、『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』を2018年11月に刊行しました。
汚染度合いによる危険性については、チェルノブイリ法を参考にして、書籍で詳細に比較説明をしています。
食品も同様で、データサイトの測定実績と共に、厚労省の測定データの解析や1950年代からの食品汚染の歴史、福島第一原発事故前、事故後についても解説を掲載しています。
放射能汚染の問題は一言で説明するのが非常に難しく、詳しくお知りになりたい方は、是非そちらをご覧頂ければと思います(文末にリンクがあります)。
4)環境濃縮データに伴う誤解について。
環境中で濃縮することによりベクレル値が高くなっている、いわゆる「ホットスポット(限定された範囲の高濃度土壌)」があります。この値を使って、付近の地区一帯が同程度に汚染していると論じるのは間違いです。
詳しくは『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』(P.102〜P.105)、
または、https://minnanods.net/soil/hotspot.html をご覧ください。
データサイトでは、環境濃縮する場所を除いて東日本全体の放射性セシウム汚染の濃淡を比較できるよう「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を実施しました。
また、高濃度汚染のスポットについては別途「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」を実施し、局所的な汚染についても一部の地域で調査し、データを記録しています。ホットスポットとわかった場所では行政に除染作業申請をしていますが、東日本のすべてのホットスポットを調査することは不可能です。このため、人々が生活の中で余計な被ばくを知識として避けることができるよう、どのような場所がホットスポットになりやすいかを類型化して12分類のタイプにまとめ、注意を促しています。
5)「共に民主党」「日本政府」に伝えたい事。
韓国「共に民主党」が本当に放射能の心配をするなら、日本政府をあのような地図で糾弾するのではなく、まずは私達の問い合わせの内容に対して返事をし、正しい理解のために動いて欲しいと願っています。
9月29日、毎日新聞・福島版(12版)に、日本政府の言葉として、以下の記述がありました(東京版にはありません)。
データサイトの地図について、『日本政府関係者は「市民団体の情報で、正確とは言えない」と強調する。』と発言したのです。
日本政府には、そもそも土壌の採取・実測に乗り出さず、事故の様相の正確な記録すらしなかったことで、必要な情報提供や説明責任が果たせなくなったという事実があります。
国は、空間線量測定でお茶を濁さず、広範囲の土壌測定を政府の責任のもとに実施し、2020年の東京オリンピックを前に、国内外にきちんと正しい情報を公開していくべきです。汚染はなかったことにするのではなく、汚染のある場所も、ない場所もあるのだ、という事実を正確に伝えて欲しいと考えます。
6)放射能汚染に国境はありません。
福島第一原発事故が起きた時、チェルノブイリ原発事故の経験と教訓を生かして各国の市民運動・測定室が、物心両面で日本の市民放射能測定室を助けてくれました。
二度と原子力事故が起きないことを絶対に信じたいですが、万一、世界のどこかで事故が起きた時にはこういった連携が必ずや必要となります。
私達「みんなのデータサイト」は、この不幸な事故の中に生きる大人の責任として、「市民科学としての放射能測定」を通じて、データを提供する立ち場で、これからも世界の皆様と連携、情報共有をしていきたいと考えています。
<みんなのデータサイト出版 書籍のご紹介>
●『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』(日本語)
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みんなのデータサイト事務局
【9月27日 第2報】「共に民主党」および会見を行なった議員に対して文書で申し入れしました
昨日の私共からの第一報を踏まえ、第二報として、再度事態の説明と、「共に民主党」および会見を行なった議員に対して申し入れを行なった旨を報告いたします。
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2019年9月26日、「共に民主党」の日本経済侵略対策特別委員会が、日本の福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染地図を作成し、公開したという報道がありました。
報道によると、
『特別委の幹事を務めるオ・ギヒョン弁護士は同日、ブリーフィングで「原発事故以降の放射能汚染の程度を測定する日本の市民団体『みんなのデータサイト』で公開している資料を基に制作した地図」と説明した。地図上で放射能に汚染されていると表示された地域の中には、2020年東京五輪で試合が開催される宮城スタジアムと福島あづま球場などが含まれている。』
とされています。
みんなのデータサイトで、この報道内容を確認したところ、公表されている地図およびオリンピック会場とされる地点の放射能の値について、実際に私たちのサイトのいつの時点の、どの地点のデータを使ったのか、合致する数値を見つけることができませんでした。
また公表されている地図についても、みんなのデータサイトが公開している「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」の地図とは大きく異なっています。
そのため、下記の通り、韓国側に質問状を用意し、会見を行なっていた3名宛に、9月28日、文書で問い合わせ・申し入れをいたしました。
その日本語版の申し入れ書、韓国語版の申し入れ書の画像を掲載します。
今後について、状況に進展があれば、サイト上で報告してまいります。
よろしくお願いいたします。
みんなのデータサイト
事務局長:小山貴弓
申し入れの内容(日本語版)
9月26日付で朝鮮日報に掲載された、与党「共に民主党」が「日本経済侵略対策特別委員会」において、私達「みんなのデータサイト」のデータを改変して放射能汚染地図を作成したと述べたことについて大変驚き、困惑しています。
この地図について、事実と著しく異なる点があるため、以下の通り見解を述べ、要求します。
1)発表されたデータ・公開地点を見て、我々のデータソースを当たったが、現時点で該当する地点、測定値は私たちのデータベースからはみつかっていない。
2)また、公表されている地図に掲載されている値は、いつ時点の値なのかの明示もなく、
科学的な資料としては必要な条件を満たしていないマップと言わざるを得ない。
3)みんなのデータサイトのマップは、以下のマップであり、汚染は広範囲にまだらに存在し、事故当時から直後の雨や雪、そして風向き、また山脈などの地形により南北に広がり日本海側にはあまり達していない。同心円状に汚染が広がっていると今回発表された地図は、我々のマップとまったく異なり、我々の情報から作成されたとなっていることは事実に反する。我々のマップは、あくまでも測定地点の汚染度を示すものであり、面的汚染には言及していない。
私たち「みんなのデータサイト」の情報からの引用であるとして、事前の連絡や確認なく、事実と異なる測定値の情報が公開され、流布されたことは、私たちの団体・サイトの信頼性を著しく損なうものであり、看過できない。
我々は以下を要求します。
1)公表したマップがどのような科学的合理性をもってつくられたものかを検証するため、マップ作成時に使用した元データと出所を詳しく開示していただきたい。
2)何の断りもなく名前を無断使用し、日本の市民科学の結集である「みんなのデータサイト」の名誉を著しく汚しており、このような発表となった経緯について、ご説明頂きたい。
※韓国語でのやり取りを継続することが困難なため、英語または日本語でご回答願いたい。
なお、みんなのデータサイトは、2019年9月21日に『「図説」17都県放射能測定マップ+読み解き集』の英語版ダイジェスト、「CITIZENS’ RADIATION DATA MAP OF JAPAN」~DIGEST EDITION~を刊行したところである。
詳しくは、こちらを確認して頂きたい。
★amazonより購入可
https://www.amazon.co.jp/CITIZENS-RADIATION-DATA-JAPAN-Contamination/dp/4991042712/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=CITIZENS+RADIATION&qid=1569574678&sr=8-1
大型本: 16ページ(21 x 0.2 x 29.7 cm)
出版社: みんなのデータサイト出版
言語: 英語
ISBN-10: 4991042712
ISBN-13: 978-4991042713
発売日: 2019/9/21
2019年9月27日 みんなのデータサイト 共同代表 大沼章子
阿部浩美
村上直行
事務局長 小山貴弓
連絡先:minnanods@gmail.com
電話:024-573-5697(11時~19時 水曜定休)
韓国語に翻訳をした申し入れ
【9月26日 第一報】 朝鮮日報日本語版 9月26日付けの報道についてのお問い合わせ
朝鮮日報日本語版9月26日付けにおいて、韓国の与党がみんなのデータサイトのマップを改変したとして、放射能汚染マップをつくり、記事を発表しました。
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019092680242
数値の改ざんではないかとのご指摘、類似の問い合わせを、現在多方面から頂いています。
現時点でわかった事実としては、数値は、私たちの団体で測定したものではなく、他の団体が測定したホットスポットを含むデータが用いられている模様です。
私共にはデータについて、また今回団体名を記載する旨、一切の連絡を受けておりません。
引き続き、情報の収集と確認に努め、対応を協議し次第、改めて皆様にご報告申し上げます。
よろしくお願い致します。
みんなのデータサイト
事務局長 小山貴弓