市民測定室のつくりかた|現場ノート Vol.16 食品放射能測定の実際
食品放射能測定の実際
・検体の情報が大事
検体の情報を記録し、一括管理することは、測定品質を保つためにも重要になります。
検体の取り違えを防ぎ、測定結果を正しく解釈することや、検体の劣化を防ぐためにも必要になります。測定依頼者に記入してもらうといいと思います。
必要な検体情報は以下のとおりです。(検体受付用紙やフォームに記入できるようにします)
1)検体ID(測定室独自で1つ1つの検体が後からも識別できるよう、固有の番号や記号を測定室側でつけます。年月日や通し番号などを用い、同じIDが絶対に重ならないように留意します)
2)品名
3)産地 (なるべく詳しく場所がわかると良い。公開時は個人情報に留意)
4)採取日または購入日 (両方わかる場合は両方)
5)生産者または購入店 (両方わかる場合は両方)
6)空間線量 (可能であれば採取地の汚染状況がわかるとなお良い。とりわけ土壌サンプルの場合は、空間線量と汚染の相関を確認するためにも空間線量がわかるとよい)
7)除染の有無等 (可能な限りわかると良い。とりわけ土壌サンプルの場合)
8)依頼者名
9)連絡先 (少なくともメールアドレス、電話番号、居住エリアなどは必須。測定結果の報告に必要)
(サンプルの検体受付用紙を紹介する)
・高汚染の確認
検体受け取り時に高汚染を確認するため、空間線量を当てて測定することで、高汚染されているか確認することが出来ます。通常は線量は変化しませんが、線量が上がるような検体は高汚染されているので、特に注意して扱うようにします。
・測定器の起動
測定器の起動処理は、測定器のマニュアル通りに操作して起動してください。測定器によってはチェックサンプルによる確認やBG確認などを行う手順になっているものがあります。
測定器の起動処理は何をしているのかというと、
パソコンの起動、測定ソフト起動
センサーが安定するまでに一定時間待つ(光電子増倍管の高電圧回路等の安定化等)
チャンネル合わせ
BGチェック(BG測定)
データベース起動等を行っています。
余談かもしれませんが、福島原発事故後は、Windowsパソコンの操作未経験の方が多くいて、実はパソコン操作を覚えるのが一番難しかったということもありました。
・検体処理
測定技術の半分は検体処理と言っても過言ではないと思います。
被ばく及び汚染を防止する観点から、作業者は使い捨ての手袋(場合によりマスクも)を着用する。
基本は可食部のみを測定します。料理時と同じように流水で洗います。昆布など濡れ布巾で拭く食品もあると思います。根菜類など土が付いている場合は、土に放射能が含まれている可能性があるので良く洗い流します。
キッチンペーパー等で水けを拭き取る。
皮をむいて食べる食品は料理する時のように皮をむきます。外葉等食べない部分は除去する。
包丁でみじん切りにしたり、フードプロセッサーを使って細かく刻みます。
マリネリ容器等内にビニール袋を入れ、風袋の重さを量ります。はかりを0gにリセットします。
はかりからマリネリ容器をおろし、試料を詰めていきます。
はかりのひょう量(測ることができる最大重量)以上の物を載せないでください、はかりのひょう量以上の重さをかけるとはかりが壊れてしまう場合があります。はかりの上でマリネリ容器等に試料を充填することは、大きな荷重がかかるのしないでください。
試料を均一に容器の規定の量(容器の縁の少し下に薄い線がついているところ)まで詰めます。容器の下の方は試料が行き渡りにくいので、マドラーなどを使って隙間がないように詰めていきます。容器の外側に試料がつくと測定器を汚染してしまいますので、外側につかないように注意してください。容器に満杯は詰めすぎで正しく測定されません。多すぎず少なすぎず、既定の線ピッタリを守り、一定の形状の検体にすることが基本です。(量が足りないときについては、別途記載します)
試料の重量を量る、容器の重さを引いた試料のみの重さを量ってください。
・測定器を操作する
測定器のマニュアルに従って、検体名、重量、容器の種類、測定時間などを入力し測定を開始する。
試料を測定器に入れる時、下までしっかり入っていることを確認してください。
測定器の蓋が重いので、蓋を閉めるときに指を挟まないように注意してください。
・測定結果の出力など
測定器のマニュアルに従って、測定結果の印刷、データベース登録、測定生データの保存等の処理を行う。必要に応じて測定時間の延長を行う(測定結果の読み方は別記事、サンプルを別紙で用意する)
・誤検出に注意する
たまにチャンネルずれが起こる場合がある。カリウム40のチャンネルがBGと測定データで同じ場所にあるか確認する。チャンネルがずれている場合は最初の測定器の起動からやり直し、再測定する。チャンネルずれの原因は温度変化、電気的接触不要等などがある。
(天然放射性核種の影響については、別記事を参照)
・依頼者に測定結果を説明
検出値の読み方(別記事)
検出下限値について
食べれらるかの判断基準