【 緊急始動!「野生キノコ測定プロジェクト2020」目標数は100検体・50万円分】

最近テレビや新聞で「1キロ当たり100ベクレル」の放射性セシウムの基準値を超える野生キノコが多数流通していることが話題になっています。これは、市民測定所など、行政に頼らず独自に調査する市民の測定による成果も大きいものです。

この成果の1つとして、2020年10月20日付朝日新聞に、ふくしま30年プロジェクトが取り組み発見した、キノコの基準値超えのことが記事になりました。

「放射性物質、野生キノコも基準超 ネット個人取引制限へ」(2020年10月20日・朝日新聞)

しかし、個々の測定室は 希少な野生キノコをふんだんに購入する資金を持ちません。キノコのシーズンは短く、十分に測定ができないままになっていました。そこで、みんなのデータサイトは、緊急で購入資金をデータサイトの参加測定室に支援する形で「野生(天然)キノコ測定プロジェクト」を実施することにしました。



●プロジェクト概要

「ふくしま30年プロジェクト」の独自の先行調査から、基準値超えが数多く発生していることが発覚。

メルカリやヤフオクなどの通販サイトや直売所などで簡単に入手できる「天然キノコ」について、厚生労働省が定める放射性セシウムの基準値を超えるものが数多く流通していたのです。

そこで当プロジェクトでは、天然のキノコが採取・購入可能な概ね11月いっぱいまでの時期に、なるべく放射性物質の検出が見込まれる地域・品種を見定めつつ、多くの検体を購入・測定、速やかに公表することを目指し、スタートしました。

天然キノコは、1回の測定の必要量で数千円〜1万円近くする品種もあり高価なため、測定室独自ではなかなか購入・測定が難しいため、なかなか測定件数が増えません。
そのため、キノコの購入費用をデータサイトが補助することで、測定室がより数多くの検体の測定数を確保できるようにしたのです。



●プロジェクトの目的

除染することができない森林などで採取されるうえ、もともと放射性物質を取り込みやすい野生の山菜やキノコは、今後数十年、数百年単位で、基準値を超えるものが採取される可能性があります。
このプロジェクトは、基準値超え(食品衛生法違反)の実態を確認し、行政へより市民が安心して食べられるものが流通するよう監視の仕組みを整えることを訴えること、また市民の皆様に実情を知っていただくことを目指すものです。



●なぜ緊急実施なのか?

山菜やキノコなどは、採取できる期間が短いため、1つの検体で基準値超えが発生したとしても、出荷制限まで進みにくいという事情もあります。
また「天然キノコが放射性物質を含みやすい」という情報が周知されていないために、出荷制限地域のすぐ近くで採取者・出品者が汚染キノコを出品してしまったり、出荷制限がかかっていると知らずに採取しているケースも見受けられます。
さらに、自治体によっては天然キノコなどの放射性物質を含みやすい食品の測定に消極的なため、基準値超えが発生せず、出荷規制が設定されていない可能性もあります。
行政が積極的な注意喚起をしないことで、このような状況が生まれているならば、生産者や出品者もまた、被害者といえるのではないでしょうか。
人々が、知らずに法律違反のものを出品してしまったり、購入して無用な被ばくをしたりすることを避けるため、緊急での実施を決定したのです。



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