【よそものネット】汚染水の海洋放出 反対メッセージ(4〜6)
在外邦人による脱原発ネットワーク「よそものネット」さんが、日本の海洋汚染水放出について、海外の事例や研究を海外の専門家による解説・メッセージをまとめました。
この度日本語の字幕をつけたということで、日本の皆様にもみていただきたいとご紹介いただきました。
今回は、4回目〜6回目をご紹介します。 ぜひご覧ください。
*1回目〜3回目のご紹介はこちら
フランスの市民団体「よそものネット」から日本のみなさまに向けてのメッセージ
2021年4月、日本政府は2年先を目処に、福島第一原発の敷地に保管されているALPS処理汚染水の海洋放出処分を決定しました。漁業関係者をはじめ数多くの反対や懸念の声を無視し、市民団体や専門家が提案する代替案の検討も拒んだ、一方的な決断です。
この決定発表後、核推進派からは「原発は通常運転時でも汚染水を海洋に流している」、「海外ではもっと大量に放出しているのに、福島第一だけを批判するのはおかしい」などというも聞こえます。
では、海外の核施設と汚染水について、当該国の市民団体や活動家、専門家の意見はどうでしょうか。
よく引き合いに出されるフランスのラ・アーグ や、トリチウムというと言及される北米の五大湖ではこの問題をどう見ているでしょうか。健康被害について議論はあるでしょうか。
よそものネットでは、そうしたメッセージをシリーズでお届けします。
日本政府の決定は非民主的であるだけでなく環境保護を無視するものです。海は生命の源であり、あらゆる生物の生息の場です。これ以上の海洋汚染を許してはなりません。豊かな海洋を護るために闘いましょう。
汚染水の海洋放出反対メッセージNo.4 ドイツの放射能防護協会副会長トーマス・デアゼー氏
第4弾は、シリーズ第四弾目は、トーマス・デアゼー(Thomas Dersee)氏です。
彼はチェルノブイリの事故直後、すぐに西ベルリンで市民による測定所を起ち上げ、食品・土壌の線量結果を発表する活動を始めました。その線量結果を伝えるミニコミから次第に放射線による健康への影響、被害、原子力エネルギーの問題点なども伝える場と変化し、情報誌「放射線テレックス」(Strahlentelex)が生まれました。彼はドイツにおける原子力問題を専門とした、良心あるジャーナリストの第一人者として知られています。
一切広告や寄付などを受けず完全な独立を貫いてきたこの情報誌は、2018年にずっと共同で編集をしてきたパートナーの女性が亡くなり、その後彼も病気になったためやむを得ず廃刊となりましたが、トーマスの「放射線テレックス」はドイツの反原発運動の歴史とは切り離すことができない大切な一部です。この放射線テレックスは今もアーカイブがネットで公開 http://www.strahlentelex.de/ されているほか、ベルリン在住の日本人ジャーナリスト福本栄雄氏が日本語とドイツ語で「フクシマ・放射線テレックス」という名でその主旨を引き継いでいます。http://strahlentelex-fukushima.de/jp/
トーマス・デアゼー氏はまたチェルノブイリ事故後科学者たちが、行政機関や利益団体に所属するのではない独立した放射線防護を監査する組織の存在の必要だと実感して創立した「放射線防護協会」で、現在副代表を務めています。
(紹介文は、Youtubeより引用)
汚染水の海洋放出反対メッセージNo.5 イギリスの海洋汚染研究者、ティム・ディアー=ジョーンズ氏
シリーズ第5弾目のティム・ディアー=ジョーンズ氏は、1980年代から政府や産業ロビーから独立した海洋汚染研究者、コンサルタントおよびキャンペーン担当者として活動してきました。
カーディフ大学(ウェールズ)の海洋研究学部で教育を受け、卒業論文では海洋汚染物質の海から陸への移動をテーマにしました。
彼は、北極からオーストラリアに至る海洋環境を対象としたキャンペーンで、海洋と沿岸に関する幅広い問題を扱ってきました。
特に、海洋の放射能汚染と炭化水素汚染に関する問題に関心と造詣が深く、これに焦点を当て取り組んできました。
ディア=ジョーンズ氏は、主要な海洋環境NGO、地方自治体、市民キャンペーングループと協力しあって活動してきました。
汚染産業のために、または汚染産業とともに働いたことはありません。
このメッセージ動画のさらに詳しい内容及び参照文献をお知りになりたい方はティム・ディアー=ジョーンズ氏の以下のレポート(英語)をご覧ください。
https://bit.ly/3kUQT49
ノース・ウイスト島の調査についてはこちら(英語)です。
https://bit.ly/2Z6C1rw
(紹介文は、Youtubeより引用)
汚染水の海洋放出反対メッセージNo.6 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部、ヨルク・シュミット氏
シリーズ第6弾目は、ヨルク・シュミット(Jörg Schmid)氏です。彼はシュツットガルトに住む医師で、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部のメンバー、そして市民の一人として、ずっと反核・反原発運動に積極的にかかわってきた誠実な運動仲間です。フクシマ原発事故後、彼はすぐに地元の原発のそばで仲間とデモを主催し、脱原発を訴えました。当時の市民による反原発のうねりが非常に高かったことから、メルケル率いるドイツ政府が脱原発を決定したことはよく知られるところです。ドイツでは2021年大晦日でさらに二基が閉鎖、今年2022年最後までに残る最後の三基が閉鎖されることが決定されています。
※ヨルク・シュミットがメッセージで公海の国際保護条約について触れていますが、これは、1972年のロンドン条約や1982年にできた海洋法に関する国際連合条約が相当します。
(紹介文は、Youtubeより引用)
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