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11/19・東京 土壌プロジェクトイベントの内容紹介:栃木県・山形県土壌調査の解析報告

11月19日(日)に開催する土壌プロジェクトの報告会で報告する内容をお知らせいたします。

土壌プロジェクトでは、東日本17都県で3,000地点以上の土壌採取・測定を市民の皆様と一緒に行いました。その測定結果を解析し、また地形などと合わせてみることで、見えてきたことなどを先行して皆様に一足早くお伝えしていきます。
今回は、汚染重点地域の1つである栃木県と、比較的汚染レベルが低い山形県の2つを先行して解析し、現時点での中間報告とさせていただきます。


1. 栃木県の土壌調査の解析報告概要
(名古屋C-ラボ 大沼淳一さん担当)

「17都県3300余点のうち、高濃度汚染した栃木県では292地点の土壌調査を行い、その解析を行いました。那須町には23000Bq/kgを超えてチェルノブイリ法における「移住の義務ゾーン」が1ヶ所。那須町、那須塩原市、矢板市では、8500Bq/kgを超える移住推奨ゾーンが21ヶ所あり、これら3自治体に加えて、日光市、塩谷町、大田原市、那珂川町では、2800Bq/kgを超える移住の権利ゾーンが、合計で81ヶ所もありました。深刻な初期被曝も懸念されます。しかし、政府も自治体も適切な対策をとらないままに6年半が過ぎています。市民、とりわけ子どもたちの被曝が懸念されます。今すぐにでも、健康調査など福島県なみの対策が必要です。」



*なお、10月末から11月にかけて約1週間、大沼さんはこの報告結果を持って栃木県各所を回り、報告会や測定ワークショップを開催します。イベント当日は、この栃木の報告会の様子も交えて、栃木県の放射能汚染の状況も紹介する予定です。


2. 山形県の土壌調査の解析報告概要
(あがのラボ 村上さん)

 市民の手による「MDS東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」の成果として、東日本17都県の土壌汚染マップが益々充実してきている。 福島県と隣接し距離的に近い山形県や新潟県では殆ど汚染がないと考えられていたが、得られたマップでは低汚染レベルの地域が両県でも広く存在することを示している。
 


MDS土壌汚染マップ」と山形県が実施した「食品中の放射性物質検査データ」や埋もれていた測定データを解析すると山形県が強い汚染を免れた理由、発災後の山形県独自の「食品検査戦略」などが見えてきた。


 山形県のような平地の汚染が低い地域でも「ツキノワグマ肉」「山菜(コシアブラ)」「天然キノコ」の検査データが示すように「山の汚染」が今も継続し、食品の「基準値超え事件」が絶えない。




3. 環境濃縮ベクレル測定プロジェクトについて
(SugarNatさん)

これまでの土壌プロジェクトでは、そのエリアの標準的な汚染度を調べるため、あえてホットスポットの地点の測定は含めていませんでした。しかし一方でそこかしこに存在するマイクロホットスポット(放射性物質が集まって濃度が高くなっている場所)は大きな問題です。以前からこのホットスポットの探索・測定・そして行政への除染の働きかけをコツコツと行っている Hotspot Investigators for Truthという団体と協力し、彼らが測定したデータを「みんなのデータサイト」上に蓄積し掲載し始めました。
イラストなどを使い、どのような地点がホットスポットになりやすいか?表示しています。
当日は、これまでの測定活動、行政への働きかけの成果などについて代表のSugar Nutが紹介します。





今後出版を予定している地図帳「アトラス」では、このように、みなさんと力を合わせて進めてきた「土壌プロジェクト」のデータ3,000件あまりを解析した結果などを掲載していく予定です。

どのテーマも、ここでしか聞けない話です。
ぜひ、11月19日(日)9:30からのイベントにお越しください。





知ろう!測ろう!つなががろう! 東日本土壌ベクレル測定プロジェクト
2017年秋・報告会
いよいよ「土壌の放射能を見える化」した紙のマップ集に着手!
土壌プロジェクト・アトラス<予告編>
〜いくつかの県を例に解析結果を先行報告します〜


お申し込みはこちら (Google formが開きます)


場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟401
日時:2017年11月19日(日) 9時30分〜12時(午前9時受付開始)

主なプログラム(予定)
●土壌プロジェクト・アトラス(紙のマップ集)発行の進捗
●幾つかの県を例に、土壌プロジェクトのデータ解析から見えてきたこと
●栃木県でのワークショップ活動報告
●環境濃縮(ホットスポット)ベクレル測定プロジェクト報告 など

参加費500円 (おみやげつき)

*土壌ベクレル測定プロジェクトの結果を掲載したA3版マップ。下記のいずれかご希望の1枚をプレゼントします。
(17都県全体マップ、東京都マップ、神奈川県マップ、埼玉県マップ ほか)

お申し込みはこちら (Google formが開きます)





【メディア掲載】名古屋Cラボの取り組み「乳歯保存ネットワーク」が中日新聞・東京新聞で紹介されました

みんなのデータサイト 幹事団体の1つである「未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)」も参加している、日本初の乳歯のストロンチウム測定の民間測定所(岐阜)について、中日新聞(2017年9月17日・朝刊一面)と東京新聞(2017年10月4日朝刊社会面)に記事が掲載されました。


来る11月19日の土壌プロジェクト報告会の中でも、Cラボ大沼淳一さんに、この乳歯保存ネットワークについて紹介し、説明資料や乳歯保存用キットの頒布も予定しています。ぜひ報告会へお越しください!

●11月19日土壌プロジェクト報告会の詳細はこちら

●乳歯のストロンチウムの測定、また資金応援いただける方は乳歯保存ネットワークへ直接お問い合わせください。乳歯保存ネットワーク=058(296)4038

以下記事の紹介です。



*中日新聞の記事のテキストを書き起こしておきます。


2017.9.17 中日新聞朝刊一面

内部被ばく 乳歯で調査
岐阜に初の民間測定所

 2011年の剛強電力福島第一原発事故で放出された放射性物質をめぐり、各地の子どもたちの乳歯を分析して影響を調べる全国初の民間測定所が、年内にも岐阜県内で発足する。事故当時に生まれた子どもの乳歯が自然に抜け始める時期を迎えたことから、全国各地に呼び掛けて回収。蓄積した放射性物質ストロンチウム90の濃度を測定し、内部被ばくの可能性や放射能汚染の広がりについて調査に乗り出す。(小倉貞俊)

福島事故受け全国の子対象
 運営に携わるのは、岐阜市で診療所を開く松井英介医師(79)、愛知医科大の市原千博客員教授(中性子工学)をはじめ名古屋大、岐阜大の研究者ら13人。現在、岐阜市茜部本郷の建設会社の建物を測定所に改修する工事を進めている。
原発事故で放出された放射性物質のうち、ストロンチウムは歯や骨に蓄積しやすい。母乳や食物などを通じ、子どもたちに蓄積された可能性があるとみて、松井さんらは159月、入試の提供を呼び掛ける市民団体「乳歯保存ネットワーク」(岐阜市)を設立。これまでに約300人分の乳歯を全国から集めた。
測定所の開設には、機器の購入代や建物の改修費など2,500万円が必要。さらにデータの収集・分析には長期間の継続した活動が欠かせない。「企業や団体、個人を問わず、多くの人が資金を出して参加できる仕組みが必要」(市原さん)と今年2月には、運営を担う非営利の株式会社「はは」を設立。出資金を集めて、高い精度で測定できる米国製の危機を購入した。
また、松井さんらメンバー5人は乳歯のストロンチウム分析で実績があるスイス・バーゼルの州立研究所で研修し、手法を学んだ。
乳歯の測定は、幅広い年齢や地域の年間400人程度を想定している。希望者は所定の用紙に出生地や育った場所、歯が抜けた日などを記し、前歯など小さな歯は4本程度、奥歯なら1本を送る。測定は無料。結果は1人ずつ知らせ、健康相談に応じる。
各地の子どもへの影響をめぐっては、福島県歯科医師会が東北大などと1312月から、乳歯の放射線量の強弱を測定している。
松井さんは「科学的なデータが集まれば、国や自治体に広範な調査を求めていく。事故で何が起きたのかを明らかにし、子どもたちの未来を守りたい」と協力を呼び掛けている。問い合わせ先は、乳歯保存ネットワーク=058(296)4038へ。

●ストロンチウム90 半減期は28.8年。空気や食べ物から体内に取り込まれると、骨や歯に蓄積しやすく、数十年もとどまって、白血病などの健康被害を引き起こす恐れがある。

中津川The Solar Budokanにて、食と土壌の放射能汚染トークを行ってまいりました

毎年、岐阜県の中津川にて行われている、
ソーラーだけで電力をまかなう超意欲的なロックフェス「中津川 The Solar Budokan」に、
みんなのデータサイト事務局長の石丸が、放射能測定やデータから見えてくること、原発事故の問題についてトークを行ってまいりました。


当日、会場は超快晴。まさに「ソーラー武道館」にぴったりの天候で、万単位の来場者の方で賑わう、とても気持ちの良いロックフェスでした。

ステージは対談形式で、「Rolling Stone」日本語版のシニアライターで、放射能問題にも関心の深いジョー横溝さんとの熱いトーク展開。
ジョーさんはご自身自ら東電福島第一原発構内に取材に複数回足を運ばれ記事にするなど、精力的に放射能問題に向き合ってきておられることに感銘を受けました。

内容は、この6年測定を続けてきて、データサイトの活動他で見えてきた食品や土壌汚染の状況、放射能と原発をめぐる諸課題についてです。
以下、当日の動画をアップいたしますのでよろしければご覧ください。


 実は、中津川 The Solar Budokanでは、毎年すべての飲食ブースの食材を事前測定している、という丁寧な取り組みを行っておられます。実に頭が下がります。



また、原発事故後の2012年に武道館で始められたフェスは、毎年快晴で、再生可能エネルギーだけで巨大な複数のステージの電力を賄い、運営されている、というのですから、驚きです!超大規模なステージが複数ですが、それでもできる!かなりのインパクトがある、素晴らしい取り組みでした。


 複数の原発で過酷事故が連発した、あの超巨大事故が起きてから早6年半。すでに社会では事故のことが風化しつつある(されつつある)ような現状がありますが、まだまだまだまだ原発の事故処理、放射能汚染対策は終わることがありません。
 しかし、あの事故を経て、このようにエネルギーシフトに挑戦するロックフェスが行われていることに、力と希望を感じた1日でした。

 トーク終了後は、中津川ソーラー武道館の顔的存在であるアーティストの佐藤タイジさんから「ぜひまた放射能の問題、話に来て!」という力強いお言葉をいただいて、会場を後にしました。(すっかりタイジさんのファンになりました(笑))


 中津川ソーラー武道館。本当に気持ちいい、楽しいフェスでオススメです!
 またぜひお邪魔したい素晴らしい場でした。

 中津川 The Solar Budokanのみなさま、ありがとうございました!

 (石丸)

【11/19・東京】2017年秋・土壌プロジェクト報告会のお知らせ

11月19日(日)に、土壌プロジェクトの報告会を開催します。

土壌プロジェクトの成果であるマップを、地形や様々な要素から読み解きを試み、より皆様に理解していただきやすい形を考えてプロジェクトを進めています。
現在、ネットに馴染みのない方、17都県をまとめていつでも読みたい方に向けて、地図帳形式での出版を企画しています。その予告編として、解析を始めた幾つかの県を先行して皆様に見ていただきます。また、ホットスポットの測定プロジェクトもスタートしましたのでその報告もします。

多くの方にご覧いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

知ろう!測ろう!つなががろう! 東日本土壌ベクレル測定プロジェクト
2017年秋・報告会
いよいよ「土壌の放射能を見える化」した紙のマップ集に着手!
土壌プロジェクト・アトラス<予告編>
〜いくつかの県を例に解析結果を先行報告します〜


お申し込みはこちら (Google formが開きます)


場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟401
日時:2017年11月19日(日) 9時30分〜12時(午前9時受付開始)

主なプログラム(予定)
●土壌プロジェクト・アトラス(紙のマップ集)発行の進捗
●低濃度汚染の山形県と汚染の深刻な栃木県、2つの県を土壌プロジェクト+他の公開されているデータ解析から見えてきたこと
●栃木県でのワークショップ活動報告
●乳歯保存ネットワーク(民間初の乳歯測定のためのストロンチウムラボ設立)に関するご案内
●環境濃縮(ホットスポット)ベクレル測定プロジェクト報告
 どんなところがホットスポットになりやすいか? どうやって測定し、通報し、行政に除染を働きかけているかの具体例をご紹介。


参加費500円 (土壌プロジェクトマップのおみやげつき:17都県全体、東京、神奈川、埼玉、千葉、栃木いずれかのマップ、あるいは100年マップ。どれか1枚ご希望のものをプレゼント)

託児はありませんが、プレイマットエリアを用意しますので、お子様連れもご一緒に聴いていただけます。お気に入りのおもちゃなどご持参ください。

お申し込みはこちら (Google formが開きます)








9/18 さようなら原発 さようなら戦争全国集会 ブース出店いたしました

9月18日、代々木公園の「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」にブース出店しました。



当日は、台風一過の青空の下、この日にあわせて新たに企画して刷りたてホヤホヤのA3版の17都県マップ、東京、神奈川、埼玉のマップ、そして100年マップなど、テントの掲示物に多くの方に足を止めて興味を持って見ていただくことができたと思います。
遠くは長崎からいらした方にも100年マップをお買い上げいただいたり、全種類のマップをお買い上げいただく方もいるなど、プロジェクトを進めてきてよかったなと思います。

1日テントでお話ししていると、気づくことがいろいろあります。
日頃、放射能に関心のある方でも、話をしてみると、キノコや山菜(特にコシアブラの数値が高いということなど)を知らなかったりして、「孫に食べさせちゃってるよ!」「どこからどう勉強すればいい??」と尋ねられたりしました。
自分の住んでいる地域の汚染度と普通の食べ物、山に生えている天然の山菜やきのこなどとの汚染度の違いなど、丁寧に説明すると驚かれることもあります。

今後みんなのデータサイトでは、これまでに蓄積してきた食品や土壌のデータを
より一般の方々にわかりやすい形でまとめ直して解説を加えるなど、
単なる「データ」だけではない形で、情報を可視化してお届けしていければと活動内容を企画しているところです。

土壌プロジェクトの「地図化」も1つの成果ですが、より皆様に放射能のことを理解していただき、被ばくを防ぐために活用いただけるよう、サイトの企画・整備を進めていく所存です。また土壌プロジェクトの成果については、解説付きの「マップ集」として出版する準備を進めております。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

テントへお立ち寄りいただいた皆様、応援ありがとうございました。