2021年の3.11 市民測定の記録

この10年を振り返り思い出されるのは、2013年前半に福島市中心部で見付けたホットスポットのことです。まずは、4月下旬に福島県立図書館(以下、県立図書館)や福島市立図書館(以下、市立図書館)の駐車場でホットスポットを発見、行政に除染の要望書を提出、それと同時に記者会見を行ないました。
県立図書館の駐車場で発見したホットスポットは、地面直上で空間線量率が5 μSv/hほどありました。そして、他にも同じような条件の場所にホットスポットがあるだろうと市立図書館へ行くと、こちらでは9~10 μSv/hのホットスポットが見つかりました。土壌を測定すると、県立図書館採取分は13万~29万 Bq/kg、市立図書館採取分からは22万~43万 Bq/kgの放射性セシウムを検出しました。



 2011年ならば、超高濃度汚染スポットがそこかしこにありましたが、事故から2年後にもなるとセシウム134の最初の半減期を経て、空間線量率が目に見えて下がったころでした。緊張感が薄れかけたところに、公共施設内で発見したホットスポットには衝撃を受けました。
 また、同時期のこととして民間の駐車場で発見したホットスポットがありました。福島市の夏の風物詩福島わらじまつりは毎年8月にありますが、ふくしま30年プロジェクト内では、祭りの会場となるメイン通り沿いの駐車場に「いかにもホットスポットがありそうだ」という話になりました。その駐車場付近は出店がたくさんならび、子どもたちも地べたに座っている状況だったからです。
 はたして測ってみると、とんでもないホットスポットであることがわかりました。駐車場の構造上、雨水等が集積しそうな場所では、地面の直上で空間線量計の数値が12 μSV/hを示しました。そして、この土壌を採取測定すると100万 Bq/kgを検出、春に発見した県立・市立図書館内のホットスポットを超える汚染でした。
 ふくしま30年プロジェクト内部で、「これをどうするべきか」となりました。県立・市立図書館のような公共施設であれば、相手が行政であり気兼ねなく告発できます。しかし、その駐車場の場合はふくしま30年プロジェクトメンバーもよく使っており、また、賃貸先のオーナーとの関係で、世間に訴えることに迷いが生じました。
同じ立場の市民同士では、そこに一種のしがらみ、忖度、関係性が発生します。例えば、外部から来たグリーンピースのような団体ならば、こういった迷いがないと思います。誤解なきように言いますが、彼らは彼らの信じる正義のためにやっているのであって非難をするものではありません。ただ、ここに住み、いろいろなしがらみがある中で生活していると、言えることと言い難いとことがあるということです。
 結果として記者会見等を行なわずに、県立・市立図書館の時とは対応を変えました。間に交渉役になってもらった協力者を通じ、祭りの直前にホットスポットの真上に土嚢が置かれ、一角はテープで立ち入り禁止、最低限の対応までは辿り着きました。しかし、もっとも汚染の高い場所は封鎖されましたが、それ以外については手つかずであり、出店が並ぶことには変わりはありませんでした。
 この後も、ホットスポットを発見してもほとんどの場合は公共施設ではないので、県立・市立図書館のときのような除染まではいかず、いいところ「ここは高いので近づかないで」と言うに止まっています。市民が望む、ホットスポットの除去まで辿り着けないことで、個人的には忸怩たる思いでいます。
しかし同時に、山菜や野生キノコの食品基準値超の発見通報等、ある面では諦めても別の面では粘ることができるということを知ったのも事実です。そして、セシウム137の最初の半減期まで、まだ20年はあります。この10年を無駄にしないために、このたやすくはない時代を越えての活動をしていこうと思います。





2021年の3.11 市民測定の記録