2021年の3.11 市民測定の記録

京都・市民放射能測定所 副代表兼 きょうと・くっすんらぼ 家主 楠本泰一郎

 2011年の3月は長女の小学校入学、長男の幼稚園入園を控え、次男はまだ0歳でした。
そんな中起こったのが東日本大震災、福島第一原発事故でした。
ただ放射能と言うものはよくわからない、行政の出す情報をどこまで信じられるのか分からない。
もやもやした日々を過ごしていました。

 そんな時11月に「京都に市民放射能測定所をつくろう」キックオフ集会というものがあるのを知り講演や放射能測定のやり方などを聴いたのが測定所活動のきっかけでした。
当時は内部被曝という言葉すら知らずまさか自分で放射能測定をするとは全く思っていませんでした。

 測定所設立メンバーは放射能測定の経験は無くATOMTEX社製AT1320Aを所有している企業での見学会や自分達で勉強会、研修を繰り返しAT1320A機を購入し2012年の5月に京都市伏見区丹波橋に「京都・市民放射能測定所」が開所しました。

 当時の思い出は自分の子供たちに安心して食べさせられると思っていても測定依頼者にそれを伝えるのに四苦八苦していました。
翌年の2013年2月には見学、研修をさせていただいた企業の好意で場所と測定機を利用させてもらい京都市中京区に「四条烏丸測定室」が開所し2測定室体制になりこれまで丹波橋の測定室に足を運べなかった会員さんの測定位依頼も増えました。

 四条烏丸測定室のあった企業の移転などの理由で閉所しましたが定期的に測定依頼のあった保育園さんからの要望を受けて大阪の南福崎測定室からAT1320Cをお借りして2013年冬に 三条御前測定依頼所「きょうと・くっすんらぼ」が開所しました。
今思えば1年毎に何かとどたばたしていました。

 測定所設立にビラ配りとか何かお手伝いが出来たらいいなと思っていた10年前、まさか自宅が測定室になるとは考えていませんでした。
ただセシウム137の半減期は30年。測定依頼が減ろうが人々の意識が薄れようがまだまだあと20年は測り続けようと思います。



くっすんらぼは京都・市民放射能測定所(以降京都測定所)の一部です。
京都測定所は代表者 奥森祥陽、事務局長 佐藤和利、副代表 福島敦子と楠本泰一郎、会計 中澤譲二他10数名で活動しています。きょうと・くっすんらぼは正式名称を「京都・市民放射能測定所 三条御前測定依頼所」と言いまして京都市内の南部にある京都測定所に行けない京都市北部の依頼者をカバーする為に南福崎測定室からAT1320Cを借り受けて自宅で測定をする様になったのが始まりで個人宅ながら出張所の様なものでイベントなど測定以外の活動はしていません。名称が長すぎるのと英語名表記の必要性もあった事からきょうと・くっすんらぼ(Kyoto・kussunlab)と変えるのを京都測定所のミーティングで提案して変更しました。


2021年の3.11 市民測定の記録