2021年の3.11 市民測定の記録

とやま市民放射能測定室 はかるっチャ 運営委員代表 道永麻由美

「とやま市民放射能測定 はかるっチャ」は、2011年から3年後の2014年に開設しました。

 富山県は幸いにも福島原発事故による放射能汚染を直接受けることはほとんどありませんでしたが、富山県が2012年「震災がれき広域処理受入」を表明したことにより俄かに放射能汚染の問題を身近に感じることになりました。

 富山県内3カ所の広域圏処理施設(富山・高岡・新川)での焼却受入は、富山県内に「放射能汚染がれき受入反対」の声の高まりを生み、広汎な市民が、様々な形で反対行動に加わることになりました。そして、市民の粘り強い行動の結果、2013年、当初の受入総量をはるかに下回る量で焼却を終了することになりました。

 この「放射能汚染がれき受入反対」行動を通じて、私たちは原発事故により環境中に放出拡散された放射性物質を学び、市民自らが安心・安全な環境を守り、未来の子どもたちに伝えることを願い、「測定する」ことで末永く放射能と向き合う、市民による市民のための“市民放射能測定室”開設への準備に取りかかりました。一般市民のみなさんから測定器購入資金150万の寄付を募り、2014年1月、多くの方々のご支援をいただき、市民測定室の開設を実現しました。

 ここ数年は福島原発事故の記憶の風化とともに、測定依頼の減少やサポーター会員の伸び悩みから、測定室の維持管理に困難さを感じています。加えて最近はコロナ禍によるイベント等の活動減少により、ますますの閉塞感を感じていました。

 しかし、福島原発事故から10年となる本年、私たちは「市民放射能測定室」の存在意義の原点に立ち返り、“富山県土壌測定プロジェクト”の立ち上げを準備中です。広く富山県民のみなさんに協力をお願いし、プロジェクトの成功を目指したいと思っています。
 


2021年の3.11 市民測定の記録